更年期の女性に多い『変形性膝関節症』を防止する2つの方法

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関節痛の原因となる疾患の中でも、最も多くの人が悩んでいるのが変形性膝関節症。悩みを抱えている人は3,000万人~4,000万人にもおよぶと言われています。

変形性膝関節症は、特に更年期の女性に多くみられる症状です。しかし、なぜ更年期の女性に変形性膝関節症が多いのかご存知ですか?実は、意外なあの病気が関係しているのです。

今回は、更年期の変形性膝関節症の根本的な原因と、その対策方法をご紹介します。

この記事のここがポイント

  • 女性ホルモン「エストロゲン」の分泌減少が骨粗しょう症をまねく
  • 骨粗しょう症によって関節まわりの骨がトゲトゲしい形状になり、軟骨がすり減る
  • エストロゲンやイソフラボンを直接補給することは避ける
  • 更年期の女性の骨を丈夫にするためには、カルシウムよりもコラーゲンを
  • 軟骨への対策をするならグルコサミンよりもプロテオグリカンがおすすめ

なぜ更年期の女性は変形性膝関節症になりやすいのか

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実は、変形性膝関節症の根本的な原因として、骨粗しょう症が考えられます。

閉経が近くなり更年期が訪れると、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が急激に減少します。いわゆる更年期障害です。
私たちの体は、古くなった骨を破壊して、新しい骨を作り直す骨代謝をつねに行っていますが、エストロゲンには、骨の形成を助けて破壊を抑制するはたらきがあります。

このエストロゲンの分泌が減少すると代謝のバランスが崩れ、骨の形成力が弱まり、骨の破壊が多く行われるようになります。これによって骨がスカスカでもろくなり、更年期障害の代表的な症状のひとつである骨粗しょう症になってしまいます。

骨粗しょう症と変形性関節症の関係

さて、骨粗しょう症になると骨がもろくなるので、衝撃によって骨が欠けたり変形したりしやすくなりますが、骨の中でも最も負荷がかかるのが関節まわりの骨。そのため関節まわりは特に変形しやすいのです。

膝の関節には、たとえば階段を降りる時には体重の7倍、立っているだけでも体重の約5倍の力が加わっていると言われています。健康な人の骨ならその負荷に耐えられますが、骨粗しょう症のもろくなった骨では耐えられません。

もろくなった関節の骨が欠けたり変形したりしても、体は、変形した骨を必死に修復しようとします。しかし元通りに戻すことはできず、何度も変形と修復を繰り返すことにより、関節まわりの骨の表面はでこぼこだらけになってしまいます。
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これは、関節まわりの骨がでこぼこになった膝の断面図です。本来はなめらかで摩擦が起きない形状をしていた骨が、変形を繰り返すことで、次第にでこぼこがひどくなり、関節まわりがトゲトゲしい形になっていきます。これを骨棘(こっきょく)といいます。

関節まわりの骨がこんな形状をしていては、動かすたびに激しい摩擦が発生してしまうので、軟骨はどんどんすり減ってしまいます。

というわけで、更年期の女性は、

  1. エストロゲンの分泌が減少。骨の破壊が進み骨密度が下がる
  2. 骨粗しょう症となり、骨が変形しやすくなる
  3. 関節まわりの骨が変形して骨棘を形成。軟骨がすり減りやすくなる

といった順序をたどり、変形性膝関節症を発症します。

更年期の女性に起きる変形性膝関節症を防ぐ、2つの方法

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更年期障害の根本的な原因は、エストロゲンの分泌が減少してしまうことですが、これは仕方のないことだと諦めましょう。エストロゲンを無理に補おうとすることはおすすめしません。

なぜなら、エストロゲンはステロイドの一種なので、これを注射したり経口摂取すると副作用が大きいからです。たとえば、インターネット等で更年期の女性向けのサプリ等によく配合されている「大豆イソフラボン」は、エストロゲンに似た物質が含まれているため、実は摂取には注意が必要な成分であり、食品安全委員会も、大豆イソフラボンを食事以外の方法で摂取することについて注意喚起しているほど。

ですので、エストロゲンを補給することはせず、他のアプローチで変形性膝関節症を防ぎましょう。アプローチ方法は2つ。

  • 骨粗しょう症を防ぐこと
  • 軟骨を補充すること

この両面から対策をとります。

変形性関節症を改善・予防する方法1:骨粗しょう症を防ぐ

骨粗しょう症が変形性関節症につながってしまう理由は、骨が変形しやすくなるためでしたね。では、骨を変形させないためにはどうしたら良いのでしょうか。

骨の変形しやすさを左右するのはカルシウムではない

「骨といえばカルシウム」というくらい、カルシウムが骨に良いことは有名ですよね。しかし骨には、カルシウム以外にもリンとコラーゲンが含まれています。

エストロゲンの分泌が減少すると、骨から多くのカルシウムが溶け出してしまうようになり、骨量が減少します。そのため、不足したカルシウムを補うことは悪いことではありません。

しかし実は、「骨の変形を防止する」という点で重要になるのは、カルシウムではありません。

骨を丈夫に保つ上で重要なのはコラーゲン

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骨は「大部分はカルシウムとリンでできており、それをコラーゲンの繊維が束ねている」という構造になっています。カルシウムを十分に摂取していると、骨量が増え骨密度も高まりますが、コラーゲンの繊維が劣化していると、カルシウムを束ねる力が弱まり、カルシウムが骨からはがれてしまい、骨が変形してしまいます。その上、骨全体のしなやかさも失われ、衝撃に弱い骨になってしまいます。

つまり、コラーゲン繊維の劣化を阻止することで、カルシウムを束ねる力が強まり、骨の形状を維持しやすくなるのです。

更年期の女性は、コラーゲンを摂りましょう

エストロゲンの分泌が急激に減少してしまう更年期以降は、どれだけカルシウムを摂取しても不足してしまうことは避けられません。ですから、更年期の女性が骨粗しょう症を防ぐ上で重要なのは、カルシウムよりもむしろコラーゲンの摂取です。

コラーゲンには30以上の種類があり、骨に含まれるコラーゲンはⅠ型コラーゲンと呼ばれるものです。軟骨で使われるコラーゲンはⅡ型コラーゲンで、これとは種類が異なります。

Ⅰ型コラーゲンは、私たちにとって最も身近なコラーゲンで、いわゆる「肌にも良いとされるコラーゲン」です。食品でとるなら鶏肉や豚肉など。多く含まれているとされる食材はたくさんありますが、カロリーが高いものが多いため、サプリメント等で摂取することをおすすめします。

変形性膝関節症を改善・予防する方法2:軟骨を補充する

体を動かしたときに最も負荷がかかるのが関節です。その負荷に耐えるために、軟骨が衝撃を吸収するクッションとして働いているわけですが、その軟骨が不足していては、関節が衝撃をまともに受けてしまうので、骨が変形してしまいやすくなります。

では、軟骨をしっかり補充するためにはどうしたら良いでしょうか?

更年期の女性は、プロテオグリカンを摂りましょう

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関節内で軟骨がクッションとして働くかどうかを左右しているのは、軟骨内にある「プロテオグリカン」という成分です。非常にすぐれた保水力をもち、その保水力によってスポンジのようにやわらかく衝撃を吸収します。しかし、プロテオグリカンのはたらきはそれだけではありません。

軟骨を分泌しているのは「軟骨細胞」という細胞なのですが、プロテオグリカンは軟骨細胞の増殖を促します。本来、一度すり減った軟骨細胞は、生涯を通じてほとんど再生しないと言われているのですが、この再生を可能にするのがプロテオグリカンです。
>>詳しくはこちらをご覧ください『プロテオグリカンの関節痛への効果「軟骨再生」がすごい。加齢による関節痛に悩んでいる人は必見!』

軟骨の補充といえば、グルコサミンやコンドロイチンといった成分が有名ですが、経口摂取したときの吸収効率が悪かったり、体内での活用効率が悪かったりと、それぞれ欠点のある成分です。最近はプロテオグリカンが配合されたサプリメント等が販売されているので、そちらを利用されることをおすすめします。

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