マカの効果効能と注意したい副作用は?マカのメカニズムも徹底解説

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スーパーフードとして知られる植物、マカ
アブラナ科の植物で、別名『アンデスの女王』とも呼ばれるほど、豊富な栄養を秘めています。

マカは、男性にとっては男性機能を向上させる効果が有名ですが、近年の研究では女性にも非常に有効であることがわかっています。更年期障害や、妊活・不妊改善美容にも素晴らしい効果を発揮します。

マカの効果効能はたくさんあって、男性にも女性にも、ワカモノにもオトナにも、健康にも美容にも役立つので、結局どんな効能があるのかわかりにくいという人もいるのでは?

そこで今回は、マカの効果効能をひとまとめに一挙ご紹介します。
また、最後にマカの副作用や、摂取するときの注意点なども書いていますので、忘れずに読んでくださいね。

この記事のここがポイント

  • マカの老化予防・皮膚のシワ、たるみ防止効果
  • マカのシミ防止、美白作用も
  • マカの更年期障害に対する効果
  • マカの骨粗しょう症に対する効果
  • マカの”うつ”や”不安感”に対する効果
  • マカの妊娠促進・不妊を改善する効果
  • マカの動脈硬化・高血圧予防効果
  • マカのED改善効果
  • マカの副作用について

マカの老化予防効果。有効成分アルギニンが成長ホルモンの分泌を促進

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私たちの体は、皮膚も内臓もすべて、小さな細胞が集まって形づくられています。
そして、いつも新しい体を維持するために、古い細胞は捨てて、新しい細胞に入れ替えられています。いわゆる新陳代謝です。

さて、その新陳代謝は、成長ホルモンというものによってコントロールされています。成長ホルモンが細胞分裂を活発にして、いつも新しくてみずみずしい状態を維持しようとします。

ですが、成長ホルモンの分泌は、20歳頃をピークに徐々に減少。それとともに、細胞の生まれ変わりのサイクルが遅くなります。

そうなると、新しくみずみずしい状態が維持できなくなってしまいます。それは、たとえば皮膚であるならば、しわたるみとなって表れます。さらに、古い角質が肌の表面に蓄積すると、肌荒れが起きやすくなります。

つまり、成長ホルモンは、肌の老化肌トラブルを予防するカギとなるもの。

そして、マカに含まれるアルギニンが、この成長ホルモンの分泌を活発にしてくれます。

マカのシミ防止効果。メラニン産生を抑制して紫外線から肌を守る

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「美肌の敵」と言われるメラニン色素。紫外線と反応して、シミやそばかすの原因になるとされています。
マカは、このメラニンの生成を抑えて、皮膚を保護する美白作用があると考えられています。

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メラニンは、もとはチロシンというアミノ酸です。それが酵素の働きによってメラニンへと変化します。これら「チロシンをメラニンに変換する酵素」の産生をコントロールしているのが、MITFという遺伝子。
マカは、このMITFに作用して、メラニン生成を抑制すると考えられています。
参考PubMed

マカの更年期障害に対する効果効能

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マカに含まれるベンジルグルコシノレートアルギニンが、更年期障害にも作用すると考えられています。

ベンジルグルコシノレートを摂取すると、体内で「イソチオシアネート」という物質に変化します。これは、女性ホルモンと同様のはたらきをする性質を持っています。

また、アルギニンにもイソチオシアネートと同様に、女性ホルモンに似た作用が備わっているうえ、卵巣機能を高めてくれるので、体が持っている女性ホルモンの分泌自体をサポートしてくれます。また、成長ホルモンの分泌を良くしたり、女性ホルモンのはたらきを整えます。

マカは、このベンジルグルコシノレートとアルギニンの2つのチカラで、更年期によって急激に変化したホルモンバランスを整えてくれます。

更年期障害のメカニズムについては、以下の記事でも解説しています。
更年期障害に良い3つの食品とは?女性が更年期を快適に生きるために知っておきたい、原因と対策

成長ホルモンとエストロゲンの関係

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エストロゲンをはじめとした女性ホルモンや、男性ホルモンも含めた「性ホルモン」は、私たちの体をさまざまに調節しています。ですが、それら性ホルモンをも調節するはたらきをもつのが、成長ホルモンです。

成長ホルモンと聞くと、『子供の体の成長を促すホルモン』という印象を受けますが、それは成長ホルモンのはたらきのひとつにすぎません。大人にも分泌されていて、年齢を重ねるほどに減少していきます。

成長ホルモンは、さまざまなホルモンの分泌や、脂肪の燃焼、免疫力、細胞の活性化、ひいては体の老化をもコントロールしているホルモンです。エストロゲンなどの女性ホルモンの分泌も、元をただせばこの成長ホルモンによってコントロールされているのです。

そのため、アルギニンやベンジルグルコシノレートによる成長ホルモンの活性化は、女性ホルモン・エストロゲン不足への根本的な対策になりうると考えられています。

マカの骨粗しょう症に対する効果効能

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骨粗しょう症は、実は更年期障害や閉経と深く関連している症状です。

骨は、常に新陳代謝を繰り返しています。骨の中の古くなった部分は壊してはがし、つねに新しい骨に作り替えているんですね。

骨の「古いものを壊す」と「新しく作る」のバランスをとるために必要なものが、エストロゲン。
エストロゲンは骨を壊す「破骨細胞」の活動を抑制する働きがあるのですが、更年期を境にエストロゲンが減ってしまうと、破骨細胞を抑えるものがいなくなってしまうのです。

そうして、骨を壊す働きが強くなりすぎて、新しく骨を作るスピードが追いつかなくなってしまいます。そして骨がもろくなってしまう。これが骨粗しょう症です。

ですから、骨粗しょう症は更年期障害のひとつの症状と言えるでしょう。そこで、更年期障害の根本原因である「女性ホルモン」や「成長ホルモン」にはたらきかけるマカは、骨粗しょう症にも効果をおよぼすと考えられています。

更年期・閉経後の骨粗しょう症については、以下の記事に詳しく書いています。
女性の骨粗しょう症にカルシウムは無意味?閉経後の骨粗しょう症を予防するために知っておきたいこと

マカの”うつ”や”不安感”に対する効果効能

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私たちの脳には、炎症や酸化ストレスなどの各種ストレスが発生したときのために、即座に対処する「ストレスからの防衛システム」が備わっています(Keap1-Nrf2)。

最近の千葉大学の研究で、その防衛システムの機能低下がうつ病の原因に関わっていることがわかりました。

その防衛システムを活性化するとして知られる食品成分に、スルフォラファンというものがあります。

マカに含まれるベンジルグルコシノレートは、体内でイソチオシアネートになることは前述しましたが、このイソチオシアネートの一種がスルフォラファンです。
そのため、マカはうつに効果があると考えられています。実際に、 閉経後の女性たちを対象に、マカを摂取させた実験で、不安症やうつ病の改善が見られたという結果が得られています。

ちなみに、スルフォラファンはアブラナ科の植物から摂ることができます(マカもアブラナ科の植物)。身近なところではブロッコリーなどにも含まれています。

参考うつ病の病因に転写因子 Keap1-Nrf2 系が関与 PubMed

マカの妊娠促進・不妊を改善する効果

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マカは、妊活に役立つ食品素材としても人気があります。妊娠しやすい体作りに役立つとして、不妊で悩んでいる人や、妊娠を計画している人によく薦められています。

妊娠には、さまざまなホルモンが関わっています。
卵巣の中には、卵子が入っている袋のようなものがあります。この袋は卵胞と呼ばれていて、卵胞が成熟すると、卵子が子宮の中に出されます(排卵)。その後、卵子が受精して、子宮内膜へ着床することで、妊娠します。

と、これが妊娠の流れですが、この流れの中で、複数のホルモンが活躍しています。

  1. まず、卵胞刺激ホルモン(FSH)が卵胞を成熟させます。
  2. 排卵のために、エストロゲンと、黄体形成ホルモン(LH)が必要です。
  3. 排卵後は、エストロゲンプロゲステロンが、受精卵が着床しやすい環境をつくります。

これらのホルモンが関わっています。

この中でも特に重要な仕事をするのがエストロゲンですが、これまで述べてきたとおり、マカはエストロゲンの分泌を助ける上、エストロゲン様作用もそなえています。
その上さらに、卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)をも助けるはたらきがあるという実験結果もあり、月経から排卵までの妊娠の流れのすべてに良い作用を促すと考えられています。

また、マカに含まれるアルギニンは、精子をつくる材料にもなりますし、マカには男性機能を向上する作用もあります。
奥様だけではなく、ご夫婦で摂取するのが良いでしょう。

参考中村学園大学薬膳科学研究所

マカの血管拡張効果(動脈硬化、高血圧)

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マカの主な有効成分のひとつ、アルギニンは、体の中で酵素と反応して、一酸化窒素(NO)を生み出します。
一酸化窒素は血管を拡張して血流を促進する効果があります。

アルギニン

動脈硬化は、血管にコレステロールや中性脂肪が付着して血液の通り道が狭くなり、血管そのものも柔軟性を失って硬くなった状態のこと。 血管が硬くて狭いと血液が通りにくくなり、血液が通りにくいと、体は血圧を高くしてムリヤリ血液を通さないといけなくなります(=高血圧)。
血管が拡がれば、血液が通りやすくなり、動脈硬化やそれによる諸症状にも改善を見込めます。

マカの男性機能向上に対する効果

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実のところ、マカはもともと男性機能を向上するとして話題になった素材です。というのも、男性機能にとって良い成分が揃っているからです。

まず、アルギニンの血管拡張機能は、動脈硬化だけでなく男性機能向上ED改善に役立ちます。また、そもそもアルギニンは精子の材料となるため、精子をつくることにも役立ちます。また、マカには男性機能にとって重要なミネラルである亜鉛も豊富に含まれています。

マカに副作用はあるの?マカの安全性は?

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マカが良い食品だということがわかったところで、気になるのは副作用ですよね。

世の中にはいろいろな健康素材がありますが、その中でも、マカは安全な食品のひとつと言って良いでしょう。なぜなら、国立健康・栄養研究所のデータベースに「副作用は報告されていない」との記載がありますし、妊婦が飲んでも安全だと考えられています。伝統的にも妊活のために摂取されてきた植物ですしね。

ただ、気を付けておきたい点が無いわけではありません。

飲み始めたばかりの頃は、月経のリズムが変わることがある

マカは女性ホルモンにはたらきかける性質があるため、女性の場合は月経のリズムに何らかの変化があるかもしれません。 危険な副作用というわけではないですが。

痛みどめとの飲み合わせ

薬との飲み合わせに関しては、痛みどめ薬「ロキソプロフェン」を服用中の男性が肺炎にみまわれたとの事例があります。この薬を服用中の人は避けたほうが良いかもしれません。

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