- すでにマカや大豆イソフラボンを飲んでみたが、十分には満足できなかった人
- 血管運動神経系の症状(後述しますが、火照り、ホットフラッシュ、冷え性、むくみ、動悸息切れなど)が特に重い人
上記に当てはまらない方は、まずは「エストロゲンを補う」という対処方法がおすすめです。以下の記事に書いていますので、ご覧ください。
更年期障害の根本的な原因は、女性ホルモン・エストロゲンの不足であることは、もうすでにご存知のこととおもいます。
「更年期対策」で検索すると、体内でエストロゲンと同様のはたらきをする『大豆イソフラボン』についての情報がズラーッと出てきますよね。そして「不足したエストロゲンを補充しましょう」と書かれています。
当サイトでも、更年期障害についてたびたび書いてきて、そのたびに「不足したエストロゲンを補いましょう」と申し上げてきました。
でも、更年期障害への対策は「不足したエストロゲンを補う」以外にも方法があるんです。
もちろん、エストロゲン不足を補うことは、更年期障害への根本的な対策になりますし、上手くすれば完全に症状がおさまることもあるでしょう。私も強くおすすめします。
でも更年期障害は、症状の重さや種類に個人差がけっこうあるので、それだけではすべての人のすべての症状を解消することはできません。
そこで、とりわけ特定の症状が重い人には、おすすめの方法があります。
発想を転換してみましょう。そもそも更年期障害は、エストロゲンが不足したあとに『なんやかんや』があって、各種症状があらわれるものです。その『なんやかんや』への対策をほどこせば、特定の症状に個別に対処することができるわけです。
つまり、今回ご紹介する方法は「対症療法」ということにはなるのですが、そのぶん、ある種の症状に対しては劇的な緩和が見込めます。
というわけで、この記事は、特に以下の症状に強く悩んでいる人に向けて書いたものです。
更年期の「血管運動神経系」症状:
- 火照り・ホットフラッシュ
- 汗がたくさん出る
- 冷え性
- むくみ
- 動悸・息切れ
「すでに色々試しているけど、もっとできることはないかな?」と考えている人にとっては、役に立つ記事だと思います。
この記事のここがポイント
- 血管の拡張・収縮の不具合が、これらの症状の原因
- エストロゲン不足→アセチルコリン不足→血管運動神経系の症状に
- アセチルコリンの摂取と血行促進が重要。でもアセチルコリンの摂取には問題点が…
- ローヤルゼリーに含まれるアセチルコリンは低分子なので、そのまま吸収しやすい
- ローヤルゼリーには血行を促進するアピシンも含まれている
- デセン酸はエストロゲンを補う(けど、その点ではマカやイソフラボンのほうがおすすめ)
エストロゲンが不足すると、血管運動神経が大混乱
血管運動神経とは、血管を拡げたり、収縮させたりするときに活躍する運動神経です。
実は、火照りも発汗も、冷えやむくみも、動悸・息切れも、すべて血管運動神経の異常事態によってあらわれる症状です。これらの症状群を血管運動神経障害といいます。
考えてもみてください。人間の顔が赤くなったり、反対に青ざめたりするのも、体温が高くなって暑いと感じたり、寒いと感じたりするのも、すべて血管の拡張・収縮の具合によるものです。
血管が拡がると血行が良くなって暑いと感じますし、収縮すると寒いと感じますからね。
つまり、これらの症状を緩和するポイントは、血管にあるのです。
血管運動神経の乱れが各種症状につながってしまう
女性ホルモン・エストロゲンには、アセチルコリンという神経伝達物質の分泌を促すはたらきがあります。そしてアセチルコリンは、血管運動神経を刺激して血管を拡張してくれます。
エストロゲンの分泌が不足すると、当然ですがアセチルコリンも不足します。すると血管運動神経が刺激されないので、血管が拡張しません。
そのせいで血行が悪くなり、冷え性やむくみといった症状があらわれます。
また、更年期にはエストロゲンの分泌量が減るだけではなく、分泌量が不安定にもなります。そうなると、血管の拡張・収縮のリズムが乱れてしまいます。血管が急に広がったり縮んだりするんですね。
これにより、ホットフラッシュ・発汗といった症状にみまわれます。また、この乱れが心臓の脈動をも乱してしまい、動悸や息切れとなってあらわれます。
血管運動神経の改善ポイント
ここまでを踏まえると、血管運動神経系の諸症状を緩和するには、以下の2つの方法があります。
- アセチルコリンを摂取する
- 血液の流れをスムーズにして、血行を良くする
アセチルコリンを多く含む食品・ローヤルゼリーの効果
アセチルコリンを摂取するなら、ローヤルゼリーがおすすめです。
なぜなら、アセチルコリンの摂取には『ある問題点』があり、ローヤルゼリーに含まれるアセチルコリンだけが、その問題を解決できるからです。
アセチルコリンの問題点「摂取しても、腸内でバラバラにされてしまう」
通常は、アセチルコリンを経口摂取しても、腸内でバラバラに分解されてしまうので、アセチルコリンとしてそのまま消化吸収することはできません。
アセチルコリンの前の段階の物質(前駆体)であるコリンや、それを多く含むレシチンを摂取することが、体内のアセチルコリンを補うという点では有効かもしれません。レシチンを摂取すると、コリンとして体内に吸収され、うまくいけばアセチルコリンへと化学変化してくれます。
ですが、更年期障害を緩和する方法としては、あまり有効な方法とは言えません。
なぜなら、コリンをアセチルコリンへ変換するために必要なものがエストロゲンだからです。
どれだけレシチンを摂ろうと、どれだけコリンを吸収しようと、更年期はエストロゲンが足りなくなっているのですから、アセチルコリンに変化しないのです。
ですから、理想的なのはアセチルコリンをそのまま吸収すること。そのためには、腸でバラバラにされることを回避しながら、アセチルコリンのまま体内に吸収する必要があります。
そんなこと、できるのでしょうか?・・・実は、ローヤルゼリーならそれができます。
ローヤルゼリーに含まれるアセチルコリンは、そのまま吸収されやすい
私たちの体は、摂取した食物を腸でバラバラに分解しますが、なぜ分解する必要があるのかというと、そのままでは分子量が大きすぎて吸収できないからです。
腸を、ザルのようなものだと想像してください。ザルの目より小さなものは、目を通過(吸収)できますが、大きいものはザルの目に引っかかってしまいます。
ふつうのアセチルコリンは分子量が大きいので、このザルの目を通過できません。だから腸でバラバラに分解して、小さくして吸収するわけですね。
でも、ローヤルゼリーに含まれるアセチルコリンはちょっと特殊で、分解しなくても元から分子量が小さいので、そのままの形で吸収される確率が高いのです。いわば低分子アセチルコリンと言えるでしょうか。
ローヤルゼリーはもともと女王蜂や蜂の幼虫のために用意された食料なので、小さな蜂の消化器官を通過できる分子量になっているわけですね。まさに自然界の神秘。
ローヤルゼリーには、エストロゲンのようにはたらく物質・デセン酸も含まれている
ローヤルゼリーには、更年期障害に有効な物質であるデセン酸も含まれています。
デセン酸は、体内でエストロゲンと同様のはたらきをしてくれる物質です。
いわゆる「不足したエストロゲンを補う」効果がある成分で、ようするに大豆イソフラボンや、マカに含まれるベンジルグルコシノレートと同じような効果があります。
「エストロゲン不足を補う」という点では、デセン酸よりもベンジルグルコシノレートやイソフラボンのほうが強力なのでおすすめですが、デセン酸がアセチルコリンのはたらきを助けてくれるので、相乗効果が期待でき、血管運動神経系症状にはとりわけ効果を発揮します。
ローヤルゼリーに含まれるアピシンが、コレステロールを分解して血行を良くしてくれる
更年期障害の各症状の中でも、とくに血管運動神経系の症状が重いという傾向がある人は、血管が拡がりにくくなっています。それは言い換えれば、血液の通り道が狭くなっているということです。
もしもコレステロールなどのせいで血液がドロドロしていたら、ただでさえ狭い通り道をドロドロの血液が通ることになるわけで、そうすると血管運動神経系の症状は余計にひどくなります。
ですから、アセチルコリンで血管を拡げる努力をすると同時に、血液をサラサラにしてスムーズに流れるようにすることも重要です。
ローヤルゼリーには、血行をよくするはたらきもあります。
ローヤルゼリーに含まれるアピシン(MRJP1)という物質が、血中のコレステロールの代謝を促して、血液の流れをスムーズにしてくれます。
実はアピシンは、ローヤルゼリーに含まれる成分としてはあまり有名ではありません。
というのも、長らく「R物質」と呼ばれ謎とされていたタンパク質だったのです。近年になって日本人の農学教授がその作用を発見、アピシンと命名しました。コレステロールの代謝改善はアピシンの作用のうちのひとつで、ほかにもいくつかのすばらしい効果を示しています。
アピシンのその他の健康作用
実は、エストロゲンの分泌量が減ると、悪玉コレステロールが増えやすくなります。そのため、更年期以降の女性は動脈硬化のリスクが高くなります(中高年の男性よりも高い!)。そういった点でも、コレステロールの代謝を促すアピシンが含まれるローヤルゼリーは、更年期の女性におすすめできます。
加えてアピシンには、内蔵脂肪の減少や細胞の増殖を促進する(美肌効果)など、健康・美容に良い効果があることがわかっています。
ローヤルゼリーは、ホットフラッシュなどの特定症状に特化した食品
今回の記事では、更年期障害への対策として、ホットフラッシュなどに代表される「血管運動神経障害」に的を絞った3つの有効成分(アセチルコリン・デセン酸・アピシン)をご紹介しました。
この記事を読んで「ローヤルゼリーって更年期に良いんだな」と思った人もいるかもしれません。
でも、更年期障害対策の基本は、エストロゲンの不足を補うこと。だって、根本的な原因はエストロゲンの不足なんですからね。
そして、その点ではマカやイソフラボンのほうが優れています。
まずはそれらを試した上で、さらに血管運動神経系の症状をしっかり改善したい……と思った人には、ローヤルゼリーをおすすめします。