ウコンの種類が重要。意外と知られていないウコン食品選びの基礎知識

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意外と知られていない、ウコンに含まれる有効成分・クルクミンに秘められたパワー。当サイトでは、これまでに何度かクルクミンについてご紹介してきました。

でも今回は、クルクミンだけではなく、ウコンそのものについて焦点をあててご紹介しようと思います。

たとえば、ウコンといえば二日酔いに良いというイメージがありますが、それ以外にも優れた効果効能があります。むしろ最近では、二日酔いよりもそちらの効能のほうが注目されていると言っても良いほどです。

それから、一言でウコンと言っても、市場に出回っているポピュラーなものでも3種類あります。
そして、その種類によって含まれる成分や効果効能、クルクミンの含有量などもガラッと変わってきます。

また、「ウコンといえば二日酔いに良いものだ」というイメージや先入観を利用して、「ほらほらウコンですよ!ウコンだから二日酔いに良いんですよ〜」という宣伝文句もよく見かけますが、はたして本当に、ウコンと名のつく食品はすべて二日酔いに良いのでしょうか?

そんなわけで今回は、企業も健康雑誌もテレビの健康番組も、誰も教えてくれない「ウコンって実はこうなんです」というお話です。

この記事のここがポイント

  • ウコン選びの注目ポイントは、クルクミン・精油成分・ミネラル分
  • もちろん最も重要なのは、ウコン特有の有効成分クルクミン
  • ターメロンの働きもなかなか興味深い。LDHや肝炎が気になる方に
  • ウコン最大の欠点は、鉄分の含有量が多いこと
  • ウコンの種類として主に、秋ウコン・春ウコン・紫ウコンがある
  • このうち春ウコンは特に鉄分が多く、クルクミンが少ない
  • 秋ウコンはたくさんのクルクミンが含まれており、優秀なウコン

ウコンの有効成分と効果効能

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ウコンの効果効能というと、二日酔い対策を思い浮かべる人が多いはず。
でも、その先入観は捨ててください。実はウコンは、意外と多彩な効果効能をしめす食品なんです。

クルクミン

ウコンに含まれる主な有効成分が、このクルクミンです。クルクミンは、ウコンだけに含まれている特有の成分で、ウコンのパワーとして知られているほとんどの効果効能は、このクルクミンによるものです。

  1. 二日酔い対策
  2. 認知症の改善・予防
  3. 抗酸化作用によるコレステロール対策や美肌効果
  4. 胃腸の働きを良くする

なお、クルクミンの効果効能や副作用についての詳細は、こちらの記事で詳しく書いています。

ウコンの効果効能と注意したい副作用は?有効成分クルクミンを正しく活用する方法

認知症に良い食品成分は?クルクミン&イミダペプチドの認知症予防・改善効果

精油成分ターメロン

ウコンの有効成分のひとつとして「精油成分」として紹介されているのが、ターメロン(ウコンセスキテルペン)という成分です。ウコンの精油成分は他にもいくつかありますが、主なものとして挙げられるのはターメロンでしょう。

ターメロンは、クルクミンの働きを補助する役割をもちます。あくまで補助ではあるのですが、胆汁の分泌を促して脂肪を分解しやすくしたり、LDHの活性を低下させるため、肝炎などの予防に役立つのではないかと期待が寄せられています。

ミネラル(鉄分、カルシウム、カリウム、マグネシウム、リン)

言うまでもなく、ミネラルは人間が生きるのに必要なもの。ウコンにはこれらも豊富に含まれています。しかし、とりわけ鉄分がすごく多いことは、ウコンの欠点のひとつでもあります。これについては、詳しくは後述します。

ウコンの種類と特徴

日本国内で見かけることができるウコンは、主に3種類。それぞれ秋ウコン・春ウコン・紫ウコンです。
一口にウコンといっても、それぞれ特徴や含まれる栄養成分が全く異なるので注意してくださいね。

秋ウコン ウコン選びの基本!秋ウコンのものが一番!

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秋ウコンは、ショウガ科ウコン属の植物です。狭義ではウコンといえばこの「秋ウコン」のことを指すものです。

生薬名で「鬱金(うこん)」と呼ばれているのも、カレーに使われるスパイス・ターメリックも、この秋ウコンのこと。ウコン特有の効果効能を発揮できて、胸を張って堂々とウコンを名乗れるのは、この秋ウコンだけです。

秋ウコンの特徴は、とにかくクルクミン含有量がダントツで多いこと。というより、他の種類のウコンは、クルクミン含有量は微々たるもの。たとえば、秋ウコンのクルクミン含有量は、この後に紹介する「春ウコン」の10倍以上とも言われています。

このように、ウコンのパワーを体感したいなら、選ぶべきは秋ウコンなのですが、ウコンのサプリや健康食品などを選ぶ場合に注意していただきたいのは、どの種類のウコンを使用しているかを明示せずに宣伝している商品もあること。ちゃんと秋ウコンかどうかを確認してくださいね。

まあ、秋ウコンにも欠点があります。それは、精油成分があまり含まれていないこと。そのため、脂肪分解やLDH活性といった効能が目当てなら、他のウコンのほうが優れています。しかし、それらの効果効能が目的ならば、別にウコンじゃなくても良いと思いますけどね。

春ウコン 良いところもあるけれど、あまりおすすめできないウコン

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春ウコンは、生薬名で「姜黄(キョウオウ)」と呼ばれており、ショウガ科ウコン属の植物ではありますが、秋ウコンとは別モノです。

秋ウコンが料理にも使われるのに対し、この春ウコンは辛味や苦味が強すぎて料理には使えません。そのため、健康食品などに加工して使われることが多いです。
実際、ウコンサプリやウコンドリンク・ウコン茶など、加工食品の材料として使用されているウコンは春ウコンのものが多く、秋ウコンやその他のウコンを使用しているものは、ないわけではないのですが、少数派です。

けれども、ウコンの効果の源はほとんどクルクミンですから、クルクミン含有量が少ない春ウコンよりも、クルクミン含有量に優れた秋ウコンのものを使用したいですね。

ただし、精油成分ターメロンやミネラルの量は秋ウコンの5倍以上も含まれているので、そこは春ウコンの良いところです。

春ウコンは、鉄分の過剰摂取に注意。サプリメントやドリンクを選ぶなら、春ウコン入りはおすすめできない

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春ウコンは秋ウコンと比べて、ミネラル(鉄分含む)も非常に多く含みますが、ミネラルが多いということは悪いところでもあります。
各種ミネラルの中でも、春ウコンには特に鉄分が多量に含まれていますが、肝機能障害をもつ人が過剰な鉄分を摂取した場合、肝臓に鉄分が蓄積されてしまうという副作用があります。鉄分を多く含む春ウコンは、この副作用が起きやすいウコンだと言えます(とはいえ、秋ウコンや紫ウコンも鉄分は多いので、過剰摂取には注意してください)。

そんなわけで、ウコンの中では少し危険な種類のウコンである「春ウコン」。
けれども先述のとおり、健康食品の素材として使われているウコンには春ウコンが多かったりします。調理に使われることがない分、サプリメントの材料として安く仕入れることができるからです。

ですから、たとえばウコン入りのサプリメントなどを選ぶ際は、秋ウコンのものを選ぶか、ウコン特有の有効成分(クルクミン)だけを抽出したものを選びましょう。
春ウコンをまるごと粉末にしたような商品は、個人的にはおすすめしません。

紫ウコン クルクミンは含まず。でも、他にない特徴があるウコン

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紫ウコンは、生薬名でガジュツと呼ばれています。
通常のウコン(秋ウコン)と異なり、根茎を切ったときの断面が紫がかっています。

クルクミンをまったくと言っていいほど含みません。そのかわり、豊富なミネラルとともにアントシアニンを含みます。
また、紫ウコンに含まれる精油成分には、アズレンという物質が含まれます。これはピロリ菌の増殖を抑えるため、ピロリ菌を原因とする胃潰瘍十二指腸潰瘍などを予防する効果があるとされています。

そのウコンはどんなウコン?しっかり確かめてから摂り入れましょう

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このほか、ウコンやクルクミンを用いた健康食品などを探している人は、注意が必要な点があります。
なぜなら、ウコンの有効成分であるクルクミンは、何の工夫もしていない場合はかなり体内吸収率が悪い、という点です。
そのため、吸収率を高める工夫をしなければなりません。

その辺りのことを、以下の記事に書いています。

ウコンの効果効能と注意したい副作用は?有効成分クルクミンを正しく活用する方法

ウコンは、しっかり・正しく活用すれば、大変に強力なサポート食品として働いてくれます。
ぜひ摂り入れてみてくださいね。

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