関節の痛みに悩んでいる人によくおすすめされる有名成分・グルコサミン。
今回はグルコサミンの選び方の話なんですが、このページをご覧の皆さまに、まず初めにお伝えしたいことがあります。
「ただのグルコサミンを選んではダメ!!」
というのも、グルコサミンには2種類あり、『効くグルコサミン』と『ただの(効かない)グルコサミン』があるのです。
後者のグルコサミンもふつうに関節痛サプリメントとして出回っています。これらを絶対に選ばないことが大切です。
まずはグルコサミンの真実についてご説明したうえで、『効くグルコサミン』とはどんなグルコサミンなのかをご紹介します。
この記事のここがポイント
- グルコサミンを摂取する目的は、軟骨成分プロテオグリカンを補うこと
- グルコサミン → N-アセチルグルコサミンへと体内で変換されて活用される
- だが変換効率が悪い。ほとんどはN-アセチルにならず尿として排出されてしまう
- だから、N-アセチルグルコサミンをサプリで摂れば良い
- N-アセチルグルコサミン入りサプリは、症状が軽めの人などにおすすめ
グルコサミンが効くまでの作用メカニズム
まず、グルコサミンを摂取する目的は何かというと、軟骨を補充するためです。
たいていの関節痛は、軟骨がすり減っていることで起こる『軟骨成分不足』が原因となっていることで起こります。そのため、軟骨成分を補充することで関節痛がやわらぎます。
その軟骨成分の名前はプロテオグリカン。グルコサミンを摂取したあと、最終的にはこのプロテオグリカンの補充に役立てなければなりません。
グルコサミンを摂取すると、まずは体内でN-アセチルグルコサミンという物質へと変換されます。N-アセチルグルコサミンは、ヒアルロン酸やケラタン硫酸といった物質(これらをグリコサミノグリカンと呼びます)の材料となります。
そして、ヒアルロン酸やケラタン硫酸とコンドロイチンを組み合わせたものがプロテオグリカンです。
ふつうのグルコサミンが効かない理由
よく「グルコサミンは吸収率が悪い」という話を耳にしますが、実は吸収率はそれほど悪くはありません。グルコサミンは『アミノ糖』と呼ばれる構造をしており、体内に吸収される前にアミノ酸と糖に分解され、その他の有機酸との反応を繰り返しながら体内に吸収されるので、多少の効率の悪さはあります。しかし、言うほど吸収率が悪いわけではありません。
グルコサミンの最大の欠点は、吸収率の悪さではなく、「体内での活用効率が悪い」ことです。
グルコサミンの最大の問題点は、体内へ吸収したあと、N-アセチルグルコサミンへと変換される効率が非常に悪いこと。N-アセチルグルコサミンへ変換されなかったグルコサミンは、体内で活用されることなく尿として排出されます。
先ほど「吸収率はそれほど悪くない」という話をしましたが、活用効率が悪いので、結果的には吸収率が悪いことと同じことになっています。
N-アセチルグルコサミンのサプリを選びましょう
実は、グルコサミンサプリの中にはこのN-アセチルグルコサミンを配合しているものがいくつかあります。はじめからN-アセチルグルコサミンを食べれば、体内へ吸収したあと変換する必要がないので、グルコサミンの問題点である活用効率の悪さを解決できます。
しかも、N-アセチルグルコサミンは『単糖』と呼ばれる構造をしており、これは腸で分解する必要がありません。分子量も小さく、すんなり体内に吸収されるので、吸収効率も高いのです。
つまり、ふつうのグルコサミンは効かないグルコサミンサプリ。N-アセチルグルコサミンを使用したものが、効くグルコサミンサプリです。
N-アセチルグルコサミンとプロテオグリカン、どっちが良い?
現在、関節系サプリの主な有効成分として主流なのは、N-アセチルグルコサミンとプロテオグリカンです。
プロテオグリカン入りのサプリメントは軟骨成分そのものを摂取できるので、非常に実感しやすい成分なのですが、いかんせん原料が高価なので、サプリメント商品の価格も高くなりがちになります。どちらかというと症状が深刻な人や、50歳代以上の人に向いています。
一方、強力な効能よりもコストパフォーマンスで選ぶなら、N-アセチルグルコサミンのサプリを選ぶことは良い選択です。関節痛の予防や、40代くらいの比較的若い人、痛みは気になるけど深刻というほどではない人などにおすすめです。
でも、N-アセチルグルコサミンだけではダメ。コンドロイチンも必要になる
はじめのメカニズムの説明でも書きましたが、N-アセチルグルコサミンがヒアルロン酸やケラタン硫酸になり、それらとコンドロイチンが組み合わさったものが、軟骨成分プロテオグリカンです。
つまり、最終的にN-アセチルグルコサミンが軟骨成分プロテオグリカンになるためには、コンドロイチンを別途必要とします。
そのため、N-アセチルグルコサミンだけを摂ってはダメで、コンドロイチンも一緒にとりましょう。なお、それらが両方同時に摂れるサプリもあります。
原料にこだわるなんて当たり前。ちゃんと『効く』ことが肝心でしょうよ!
グルコサミンのサプリっていっぱいあって困りますよね。その割には、選び方についてはあまり書かれていません。
原料が国産です!とか、材料のカニにこだわってる!とか、そんなことは当たり前の話で、スタートラインにすぎません。原料へのこだわりアピールの前に、ちゃんと『効く』こと。悩みを解消できること。それが肝心です。当たり前じゃないですか。
当たり前のはずなのに、『効かない』サプリが市場でまかり通っている。グルコサミンサプリというジャンルはそういう現状があり、グルコサミン選びの難しいところです。