関節痛に良いサプリメントや食品成分の選び方。関節痛に一番効くのはどれ?

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関節痛に良いとされるサプリメントの成分って、数えきれないほどたくさんありますよね。グルコサミン、コンドロイチン、ヒアルロン酸、プロテオグリカン、N-アセチルグルコサミン、Ⅱ型コラーゲン、などなど。

ところで、疑問に思ったことありませんか?
「結局、一番効く成分はどれなの?」って。

そう疑問に思って調べてみても、どこにも載っていません。本にもありませんし、インターネットで検索しても出てきません。「グルコサミンも関節痛に良い」「コンドロイチンも関節痛に良い」というような情報は見つかりますが「これが一番効く!他の成分はゴミ。飲むだけムダ!」とズバリ書いてある情報は見かけません。

今回は、それをズバリ書いちゃいます。
関節痛に一番効く成分は何か?それは、関節痛の原因やメカニズムを知ることで自ずと明らかになります。

要は、関節痛の原因へダイレクトに働く成分が入ったサプリを選べば良いのです。

この記事のここがポイント

  • 関節痛の原因になる「2大関節症」の根本的な原因を知ろう
  • 変形性関節症は、プロテオグリカンの減少・劣化による軟骨の弾力性低下が原因
  • だから、プロテオグリカン入りサプリを選ぼう
  • 関節リウマチの根本原因・自己免疫異常にも、プロテオグリカンが有効
  • 関節リウマチの痛みの原因は炎症なので、抗炎症作用に優れたサプリを選ぶ
  • オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)の抗炎症作用は、消費者庁が科学的根拠を高く評価

関節痛の2大症状「変形性関節症」と「関節リウマチ」

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関節痛には、代表的な症状と言える「2大関節症」があります。

そのうちのひとつは変形性関節症。男女ともに罹りますが、特に女性に多く、更年期を境に罹患率が格段に増加します。

もうひとつは関節リウマチ。これも女性に多く、発症率は男性の4倍にものぼります。変形性関節症と比較すると若い年代で発症することが多い理由は、女性ホルモンの分泌がリウマチを悪化させる要因になるためと考えられています。

この、変形性関節症と関節リウマチ、それぞれ原因が全く異なるので、効果的な対策も異なります。
では、各症状の対策をひとつずつ見ていきましょう。

変形性関節症には、プロテオグリカンの摂取が有効

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変形性関節症は、加齢などによって軟骨が弾力性を失うことが発端となって起きます。

まず、関節の軟骨内に存在するプロテオグリカンという物質が減少・劣化します。プロテオグリカンは軟骨の弾力性を左右している物質なので、これが減ったり劣化したりすることは、軟骨が弾力性を失い、関節への衝撃を吸収できなくなることを意味します。

関節への衝撃を軟骨で吸収できなくなると、その衝撃を関節まわりの骨が受け止めることになり、衝撃によりだんだん骨が欠けたり変形したりしていきます。そのうち骨が骨棘(こっきょく)と呼ばれるトゲ状のものに変形して、骨棘が軟骨を傷つけ、すり減らし、軟骨が二度と再生できないようになる事態を招きます。

このメカニズムは、以前腰痛対策サプリの選び方(←クリックで開きます)でも書きましたが、基本的には腰痛のメカニズムと同じです。

変形性関節症対策には、プロテオグリカンを配合したサプリメントを摂りましょう

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変形性関節症対策は、プロテオグリカンを補充することが最も重要です。他にも骨を丈夫にすることも大切。(→詳しくは 『変形性関節症』を防止する2つの方法 をご覧ください)

プロテオグリカンを補充する手段として最も優れた方法は、言うまでもなくプロテオグリカン自体を直接摂取すること。グルコサミンやコンドロイチン、ヒアルロン酸を摂取することと比べると、効率面で段違いです。

なぜなら、実は、グルコサミンやコンドロイチンやヒアルロン酸は、体内でプロテオグリカンを構成する部品の一部として活用されることで、ようやく軟骨で効果を発揮できる成分だからです。それならはじめからプロテオグリカンを摂取することで、軟骨成分の完成品を仕入れることができるわけですから、断然良いに決まっています。

というわけで、変形性関節症には「プロテオグリカン配合のサプリを選ぶ」が結論です。

グルコサミンやコンドロイチンがイマイチな理由

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ここで、読者の皆さまに質問です。
グルコサミンとかコンドロイチンとかヒアルロン酸のサプリって、飲んだことありますか?飲んだことある人は……それ、効きました?

グルコサミン等の成分は、プロテオグリカンの一部になるまでに、体内でさまざまな化学変化を経なければならないので、効率が悪いんです。プロテオグリカンとして活用される確率は、非常に低いでしょう。
うまく活用されずにプロテオグリカンになりそこねたグルコサミンやコンドロイチンは、体外に排出されるだけ。何の役にも立ちません。

関節リウマチ対策には、免疫異常対策にプロテオグリカン、炎症対策にオメガ3脂肪酸

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関節リウマチは変形性関節症とは事情ががまったく異なります。
根本原因は自己免疫の過剰な働き。痛みの原因は炎症。このふたつに作用する成分が有効です。

プロテオグリカンは、自己免疫の過剰反応を抑制する

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実はプロテオグリカンは、抗炎症作用を備える上、免疫の過剰反応を抑制する作用をも備えているので、関節リウマチにも有効です。

免疫は、細菌やウイルスなどの異物から人体を守る、大切な防御機能です。しかし、その免疫機能もときに乱れることがあり、異物ではないはずの自分自身を異物と判断してしまい、攻撃を始めることがあります。これを自己免疫異常といいます。

関節リウマチは、関節にある滑膜を標的にした自己免疫異常が原因であると考えられています。攻撃を受けた滑膜の細胞はサイトカインというたんぱく質を大量に放出しますが、このサイトカインが炎症をひどくしてしまいます。

しかし、私たちの体は、免疫機能が暴走してしまった場合に備えて、暴走を抑えこむ役割を担う制御性T細胞と呼ばれる制御装置を用意しています。そしてプロテオグリカンは制御性T細胞を活性化してくれるため、免疫の過剰反応の抑制につながります。

関節リウマチの炎症対策には、オメガ3脂肪酸が有効。消費者庁も高く評価

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次に、痛みの原因である炎症への対策です。
プロテオグリカンにも抗炎症作用がありますが、こと関節リウマチの炎症対策に限っていえば、オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)の摂取を強くおすすめします。

オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)といえば、脳を活性化する働きや、血液をサラサラにするという働きばかりが有名すぎて、実は関節リウマチにも効果的であることはあまり知られていません。

オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)には、非常に強い抗炎症作用があり、関節リウマチを緩和してくれるという効果はデータによる裏付けもあります。

2012年に消費者庁が「食品の機能性評価モデル事業」の結果報告を発表しました。これはどんな内容かというと、健康に役立つ効果があるとされる11種類の食品成分に、科学的根拠に基づいた信頼できる有効性があるかを確かめて、その科学的根拠を、消費者庁がA~Fの6段階で評価した、というもの。

その11種類の食品成分の中に、オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)が含まれています。この報告では、オメガ3脂肪酸は関節リウマチ症状緩和に有効な食品成分として、最高評価であるA評価を獲得しています。

オメガ3脂肪酸であるDHA・EPAが代謝されると、レゾルビンとプロテクチンという物質になり、これがリウマチの炎症に対して強力な抗炎症効果を発揮します。

関節リウマチ症状緩和への作用がA評価って、どれくらいすごいの?

「食品の機能性評価モデル事業」の結果報告の中では、グルコサミンやヒアルロン酸も評価を受けています。結果は『グルコサミンの変形性膝関節症の症状改善』はB評価、『ヒアルロン酸の膝関節痛改善効果』はC評価。オメガ3脂肪酸を除く10種類すべての食品成分がB~C評価しか獲得できておらず、かなり厳正な評定がされる中で、唯一のA評価を獲得したのがオメガ3脂肪酸でした。

オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)は健康食品成分の超優等生。摂り入れないともったいない!

オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)は「関節リウマチ症状緩和」以外にも、心血管疾患リスク低減血中中性脂肪低下作用といった効果も消費者庁からA評価を受けており、非常に優秀な健康成分ですので、ぜひ活用したいですね。

摂取するには、日頃から魚を食べることが一番ですが、それが難しい場合は、サプリメントで補ったほうが良いでしょう。

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