世の中のあまたの健康食品に入っている食品成分には、食べたあとの体内への吸収効率や、体内での活用効率に問題を抱えたものがたくさんあります。
(そして、そうした商品を販売している事業者は、それらの問題点を隠していることがほとんどです)
たとえば、コラーゲン。食べたら胃や腸でバラバラに分解されるので、コラーゲンとして吸収することはほぼできません。
たとえば、グルコサミン。いちおう吸収はされるんですが、その後大半は体内で活用できず、排泄されます。
さて、当サイトでは、関節痛や美容分野で画期的な成分・プロテオグリカンについて、何度か特集してきました。
実はプロテオグリカンは、体内への吸収メカニズムについても特筆すべき特長があります。
そんなわけで今回は、プロテオグリカンの吸収経路についてのお話です。普段見慣れないカタカナ用語が出てくるかもしれませんが、できるだけわかりやすく解説しますね。
この記事のここがポイント
- 分子量が大きい物質をまるごと取り込む「エンドサイトーシス」
- 経口摂取したプロテオグリカンは、エンドサイトーシスの経路で体内へ吸収
- プロテオグリカンはヒト臨床実験で肯定的な結果が豊富にある
- 軟骨の代謝が改善し、関節疾患の痛みが緩和されたという結果が出ている
- プロテオグリカンは吸収率も活用効率もオールクリア
- 科学的根拠の裏付けがあるかどうかが肝心
プロテオグリカンを食べると、その後どうなるのか?
食べたものは消化・吸収するわけですが、消化・吸収といっても、日常生活の中で意識することって、ほとんどありませんよね。
自分のおなかの中で何が起きているのか、いまいちイメージできないという人も多いのでは?
ふつう、食事などで得られる一般的な栄養素は、腸管の表面組織から、細胞膜を通過して細胞内に取り込まれたり、細胞と細胞の間のすき間を通過したりして、体内に吸収されます。
しかし、ある種の脂質やたんぱく質などについては、性質上の理由で、細胞膜を通過することができません。また、分子量が大きすぎて細胞のすき間も通れません。
でも、体にとっては必要な栄養素です。
私たちの体には、そのように分子量が大きく、かといって取り込まないわけにもいかない栄養素を、「まるごと飲み込むようなイメージで」体内に取り込む仕組みが備わっています。それがエンドサイトーシスという吸収経路です。
プロテオグリカンは、糖とタンパク質が結合した、とても分子量が大きい物質なので、吸収の際はこのエンドサイトーシスによって体に取り込まれます。
コラーゲンなどは、腸の中でバラバラにして小さくした後に吸収されますが、プロテオグリカンは、コラーゲンのようにバラバラにする必要がなく、そのまま取り込まれます。
プロテオグリカンは経口摂取でのヒト実験結果も豊富
グルコサミンなどは、経口摂取による実験結果を見ると、ふしぶしへの効果が期待できるのか?できないのか?という評価が実験者によってまちまちです。
有効性を示す実験結果もあれば、疑問視されるような結果が出たケースもたくさんあります(そして、良い結果だけが意図的に取り沙汰され、グルコサミンの販売会社の宣伝のために利用されます)。
グルコサミンは、まずは体内でN-アセチルグルコサミンという物質に変化して、その後もさまざまな化学変化を経て、最終的にプロテオグリカンとして活用されることで、ようやく効果を発揮できます。
グルコサミンの実験結果の評価に、これほどバラつきが出るのは、体内で何度も化学変化させなければならないため、飲用者の体質などに大きく左右されやすいということでしょう。
一方でプロテオグリカンはというと、グルコサミンとは違い、「さまざまな化学変化」をすっ飛ばして作用することが期待できます。
プロテオグリカンのヒト臨床試験結果
さて、関係者の間では、そのメカニズムについて注目されることが多いプロテオグリカン。
でも、私たち一般の消費者にとって最も重要なことって、何でしょうか?
そう、「結果」ですよね。プロテオグリカンを食べることによって、私たちは何を得られるのでしょうか?
プロテオグリカンの経口摂取は、実際に肯定的な実験結果が多数報告されています。
たとえば、ヒト臨床試験でいうと、このようなものがあります。
●膝関節症患者の痛み改善について
膝関節症を有する被験者を対象にした臨床試験も行われている。医師によるJOA(日本整形外科学会変形性膝関節症治療成績判定基準※1)およびJKOM(日本版変形性膝関節症患者機能評価尺度※2)、VAS(視覚的アナログ尺度※3)で、疼痛改善の評価を行った。その結果、JKOM、VASおよびJOAは摂取前との比較で優位に症状の緩和がみられた。このことから、プロテオグリカンによる関節痛の緩和効果が期待できる。
(引用:「プロテオグリカン」は関節対応素材としてもすぐれた効果示す注目の素材-健康美容EXPO)
つまりどういうこと?
JOA、JKOMスコアというのは、関節疾患の重症度を判定するもの。
VASは患者の痛みの程度を評価するための尺度です。
これらがプロテオグリカンの摂取後に緩和されたという結果が出ました。
●軟骨の代謝について
軟骨代謝の指標として、軟骨分解マーカーのC2C(Ⅱ型コラーゲンコラゲナーゼ分解ネオエピトープ)と軟骨合成マーカーCPⅡ(Ⅱ型プロコラーゲンC末端プロペプチド)が用いられる。(中略)変形性膝関節症患者では血清C2C値やC2C/CPⅡ比が健常者に比べ高いことが報告されている。臨床試験では、プロテオグリカンによるC2C/CPⅡ比の減少などが確認されている。
(引用:「プロテオグリカン」は関節対応素材としてもすぐれた効果示す注目の素材-健康美容EXPO)
つまりどういうこと?
軟骨も、分解(破壊)と合成(再生)を繰り返す、いわゆる代謝を行っています。骨や肌と同じですね。
健康な軟骨は、分解と合成のバランスがとれているのですが、加齢など何らかの原因によって、分解速度が合成速度を上回ってしまうと、軟骨はどんどん分解され減っていってしまいます。合成速度が追いつかないのです。
分解と合成それぞれの状況をはかるために用いられるのが、C2CやCPⅡといった「代謝マーカー」です。プロテオグリカンによって、CPⅡ(合成マーカー)に対してC2C(分解マーカー)が減少しています。これは、合成と分解のバランスが保たれる方向へ改善されていることを示しています。
このように、プロテオグリカンの「膝関節症の痛み」と「軟骨代謝の改善」については、経口摂取においてもヒト臨床試験で有意な改善がみられています。
プロテオグリカンは、科学的根拠を大切にする人にこそ、注目されている
プロテオグリカンの経口摂取による有効性は、そもそもの吸収メカニズムの観点でも説明できるうえに、実際のヒト臨床による実験結果も肯定的な結果が出ているので、しっかり体内活用されていることがわかります。
そして、このことが、何を意味しているかというと……
「理屈の上では確かに、効く可能性はゼロというわけではないだろうけれど、吸収効率が悪かったり、体内での活用効率が悪かったりして、実際は机上の空論。飲んでも無意味。」
……というのは、冒頭でも説明した「健康食品によくある落とし穴」ですが、プロテオグリカンは、それらの問題をクリアしているということです。
昔から、なんだかよくわからない「アレが健康に良い、ドレソレを食べると病気が治った」という噂はたくさんあります。そのような昨今ですから、消費者である私たちは、だまされないようしっかり調べ、賢く立ち回らなければなりません。
私たちが賢くあるためにも、購入商品選びの際には、科学的根拠を大切にしましょう。しっかりと筋の通った吸収メカニズムや、ヒト臨床試験による実験結果が豊富という点も、いま、プロテオグリカンが多くの悩める人々の注目を集めている理由のひとつです。
また、実際にプロテオグリカン関連サプリメントを試してみようと思った際には、こちらの記事を参考にされてみてください。
プロテオグリカン含有商品を選ぶときに注目すべき3つのポイントとは?
プロテオグリカン配合商品の中にも、いろいろあります。どの商品を試すのが良いか選ぶ際に、重要となる3つのポイントと、なぜ重要なのかという理由について書いています。