糖尿病。恐ろしい病気です。何が恐ろしいかって、合併症を引き起こしたら目は見えなくなるわ、足はなくなるわ、意識はなくなるわ。人生をしっかり楽しむことなんて出来なくなってしまうのが怖いんです。
実際に糖尿で通院されている方はよくご存知でしょうけど、まだ通院されていない方、通院しているけどまだ軽い段階の方なんかは、あまり身に染みてわかっていない人も多いんじゃないでしょうか。
もし糖尿病と診断されたら、あるいはその疑いがあると自覚しているなら、あらゆる手を尽くして全力で対策をしましょう。
さて今回は、高血糖が起きるまでのプロセスを逆手にとり、糖尿病の原因となりうるポイントすべてに対策を施してみましょう、という話です。
この記事のここがポイント
- やれることは全方位から、全部やろう
- インスリンの体内生成を促す方法
- すい臓のβ細胞を活性化して、インスリンの分泌を促す方法
- 細胞への糖の取り込みを促し、血糖値を下げる方法
- 腸での糖吸収を穏やかにする方法
糖尿病対策を各フェーズに分け、そのすべてに対策する
そもそも高血糖対策って、どんなアプローチがあるでしょうか?一度整理してみましょう。
0)糖質制限した食事をとる
まず真っ先にこれですよね。そもそも摂取する糖質を抑える、という対策方法です。しかし今回は主にこれ以外の方法について述べます。
1)インスリンの体内生成を促す
栄養不足などによってインスリンの体内生成ができない、といった状態を招かないよう、摂取する栄養に気を付けましょう。いつでもインスリンが分泌できるよう準備を整えるのです。
2)インスリンの分泌を促す
インスリンを分泌するすい臓のランゲルハンス島β細胞になんらかの原因があるなどして、インスリンの分泌が不足しているならば、これを正常な状態にします。
3)細胞への糖の取り込みを促し、血糖値を下げる
肥満などにより、インスリン抵抗性が高くなっているなど、血液中のグルコースが細胞に取り込まれるまでに問題が発生している場合、これを改善します。
4)腸での糖吸収をおだやかにする
そもそも糖吸収されにくいようにしたり、あるいはゆっくり吸収されるようにして食後血糖値の上昇を防ぎます。
といったアプローチがあります。これら全てに対策をするなら、具体的にどういう方法があるのか見てみましょう。
糖尿病に良いとされる食品なんかも、いろいろありますけど、どれがどのように体内で働くのかを理解して食べている人は多くありません。各フェーズを意識して何を食べるか考えてみてはいかがでしょうか?
1)インスリンの体内生成を促す
そもそも、栄養不足のためにインスリンを体内で合成するための原料が不足していては、インスリンを作れません。すい臓がどれだけがんばっても、もとになる材料が無いのでは仕方ありません。まずは分泌するインスリンを十分に体内で作れるような栄養環境をつくっておきましょう。
亜鉛をとる
インスリンの原料のなかでも、特に亜鉛がインスリン合成に重要であるとともに、日常の食生活で不足しやすい栄養素でもあります。
亜鉛は、魚介類ではかきや煮干しなどに多く含まれます。肉類では豚レバーや牛肩肉、ビーフジャーキーなど。しかし脂質やカロリーが気になります。サプリメントで補うのが良いでしょう。
2)インスリンの分泌を促す
血糖値対策として真っ先に思い浮かべるのは、このインスリンの分泌促進なんじゃないかとおもいます。インスリンの分泌が不足すると血糖値が下がりにくくなります。
インスリンはすい臓のランゲルハンス島にあるβ細胞で分泌されるため、このβ細胞を活性化することでインスリン分泌を促します。
β細胞を元気にするサポニン
β細胞を元気にするものとしては、「サポニン」がよく知られています。サポニンにはたくさんの種類がありますが、そのうちの多くはβ細胞を活性化することで血糖値の上昇を抑制します。たとえばゴーヤに含まれるチャランチンや、田七人参などに含まれるジンセノサイドが有名です。
3)細胞への糖の取り込みを促し、血糖値を下げる
インスリンがたくさん分泌されていても、細胞への糖の取り込みがうまくいっていなければ、いつまでたっても血糖値は下がりません。
特に肥満・メタボな人は要注意。脂肪が糖の取り込みを妨げるため、インスリンが効きづらい状態になってしまいます。そうなると体はインスリンをもっとたくさん生産しようとすい臓に負担をかけてしまい、やがてはインスリンを分泌できなくなってしまいます。
そのため、まずは痩せることが大事ですが、それと同時に食事やサプリメントで細胞への取り込みもサポートしてあげましょう。
ゴーヤやバナバがおすすめ
「バナバ」という植物を知っていますか?日本ではバナバ茶というお茶として手に入るほか、サプリメントなどでも入手できます。バナバにはコロソリン酸という成分が多く含まれており、これが細胞への糖の取り込みを促進し、血糖値を下げてくれます。
>>コロソリン酸について詳細はこちら「コロソリン酸がインスリン抵抗性を改善!肥満型糖尿病に期待できる天然成分とは?」
また、日本では苦い野菜としておなじみの「ゴーヤ」にはコロソリン酸が入っているほか、多方面から糖をサポートしてくれる野菜です。
チャランチンやモモルデシンなどのサポニンによってインスリンの分泌を促すと同時に、血中脂肪を低下させてインスリンを効きやすくしてくれる上、毛細血管を頑丈にするククルビタシンなども含まれており、その上さらにコロソリン酸で糖の吸収を促します。メタボや糖尿に良い成分が目白押し。ゴーヤはまさにメタボの万能薬なのです。
4)腸での糖吸収を穏やかにする
食事から得られた糖は、腸で吸収されますが、腸での吸収を遅らせてゆっくりと消化吸収することで、食後の血糖値の上昇を抑えたり、そもそも腸で糖を吸収されにくくしたりすることができます。
難消化性デキストリン
何やらものものしい名前ですが、トウモロコシなどからとれる水溶性食物繊維です。食べたら便秘になってしまいそうな名前ですが、むしろ便秘に良いものだったりします。「食後血糖値の上昇をゆるやかにする」といううたい文句のトクホ商品なんかによく入っていますね。
難消化性とは要するに「ゆっくりと消化される」という意味をあらわしています。
難消化性デキストリンは、糖や水分をとりこんで保持した状態で腸内にとどまります。腸壁からの糖の吸収を防ぎつつ、ゆるやかに時間をかけて消化されていくため、血糖値の急な上昇が防げるわけです。
DNJ(1-デオキシノジリマイシン:桑の葉)
桑の葉に豊富に含まれています。糖は小腸で「α-グルコシダーゼ」という酵素によって分解された上で吸収されますが、このα-グルコシターゼのはたらきを弱め、小腸で消化吸収されにくくするのがDNJです。小腸で吸収されなかった糖はそのまま大腸へ達し、便として体外へ排出されます。
糖の吸収を阻害するので、この説明を聞く限りでは、とりすぎると低血糖を起こしてしまいそうに聞こえますが、そういった報告は無いようです。
糖尿対策は、必死になりましょう
全方位からの糖対策、いかがでしょうか。
食品で糖対策をするなら、なんといってもゴーヤの万能薬ぶりが際立っていますので、ゴーヤ+亜鉛+水溶性食物繊維や桑葉といった組み合わせが最強くさいですね。
糖対策のための食品・成分と一言でいっても、それぞれの成分・それぞれの食品が、異なるフェーズで異なる働き方をするものです。糖対策のために何らかの食材や健康食品を試してみようとするときは、その食品や成分がどのフェーズでどのように働くのかを理解した上で摂るようにしてください。
糖対策の基本は食事制限なんですが、辛いんですよね。食べたいものが食べられないというのは、こんなにも人生の質を下げるものなのか、と思い知らされます。
しかし糖尿病は進行すると、制限は食事だけにとどまりません。見たいものが見られない、行きたいところへ行けない。やりたいことが何もできなくなってしまいます。
もし今、あなたの状況がそこまで進行していなくても、あなたの身にもそんな事態がふりかる可能性がある。
必死になりましょう。今できる努力を、思いつくことはすべて試みてください。
皆さまの人生の質がより良いものであることを祈って。