毎晩寝付きが悪い…その原因は?セロトニンとメラトニンの働きと性質

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夜、布団に入って目を閉じて眠ろうと思っても、なかなかすぐに寝付けない……寝よう寝ようと強く思えば思うほど、眠れない……ということ、ありますよね。

ひどいときには、気づけば空が白みはじめていて「もういいや、寝るのは諦めよう……」。そしてそのまま徹夜で出勤したり。

さて、寝つきの悪さの原因については、インターネットで調べると色々出てきますが、でも実はそれらは表面的なことだったり、どうしても解決が難しい生活習慣にまつわることだったりします。

  • 精神的なストレス
  • スマホやパソコン・テレビなどの画面の光(ブルーライト)
  • 昼間に光を浴びない生活をしている
  • 不規則な生活によって就寝時間がバラバラ
  • 運動不足
  • コーヒーなど、カフェインの摂取
  • 更年期障害

たくさんありますね。寝つきが悪くて困っているあなたも、上のどれかひとつくらい当てはまるのでは。

でも、どれも改善しにくい生活習慣や、どうしようもない環境要因に深く関わっています。

ストレスをすぐにどうにかできるのなら世話はないですよね。寝る前のスマホも、見ちゃうものは見ちゃうんです。

コーヒーは好きだから飲みたくなるし、就寝時間がバラバラなのは、仕事の都合上仕方ないという人もいるでしょう。

運動をする習慣をつけるのも簡単なことではないし・・・。

改善しようと思っても改善できない生活習慣や環境って、ありますよね。
では、それらの生活習慣を改善しない限り、一生寝つきが悪いままなんでしょうか?
生活習慣を変えずに、寝つきの悪さを改善する方法は無いのでしょうか?

今回は、生活習慣を変えずに寝つきの悪さを改善するためのアプローチとして、まずは寝つきの悪さの根本的な原因について解説します。
根本的な原因を知り、体のメカニズムを応用した対策をとることで、生活習慣を変えなくても寝つきの悪さを改善できるかもしれません。

この記事のここがポイント

  • セロトニンとメラトニンの量が寝つきの良さと睡眠の質を左右する
  • ストレスや不規則な生活がダメな理由は、セロトニン量が減るから
  • スマホやパソコンがダメな理由は、メラトニンの分泌が減るから
  • 酸化ストレスがメラトニンを消耗させてしまう
  • セロトニンを増やし、メラトニンの「消耗」を防ぐことが重要
  • テアニンのはたらきで、セロトニン不足対策
  • 抗酸化物質でメラトニンの消耗対策

寝付きを悪くしている根本的な原因は、脳内物質セロトニンとメラトニン

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まずは、なぜこれらの要因が寝付きを悪くするのか、そのメカニズムについて知ることからはじめましょう。

私たちが眠くなるとき、体内ではメラトニンというホルモンが分泌されています。メラトニンは体が作り出す天然の睡眠薬とも言えるもので、私たちが眠気を感じるときのシグナルとして体内で働いています。

しかもメラトニンは、眠気や寝つきやすさだけでなく、睡眠の質をも左右します。
眠りが浅いと、睡眠中の疲労回復や細胞修復が不十分になってしまい、翌日に疲れが残ったり、肌が老けやすくなってしまいますし、目覚めたときもスッキリ起きられなくなります。

その睡眠の深度を左右するのも、メラトニンなわけです。

眠りを改善するすべての鍵は、メラトニンが握っている

入眠しやすさも、睡眠の深さも、睡眠にまつわる悩みには、とにかくメラトニンを十分に分泌することが肝心、というわけですね。

先述したような「ストレス」「スマホのブルーライト」「生活リズム」……といった寝つきを悪くする要因とされていることのひとつひとつは、そのすべてが表面的なものにすぎません。

これらの生活習慣はすべて、メラトニンの分泌を悪くしてしまうことに繋がっているからこそ、寝つきを悪くする要因として挙げられているのです。

メラトニンを作るために必要な脳内物質・セロトニン

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メラトニンは、セロトニンという神経伝達物質を材料につくられます。

セロトニンは最も重要な脳内物質のひとつで、安らぎや幸福感をつかさどる神経伝達物質です。どんな作用があるのかというと、快楽や物事へのやる気を司るドーパミンや、不安や緊張を司るノルアドレナリンといった脳内物質のはたらきを抑える作用があります。

体内では、そんなセロトニンを材料にして、メラトニンが作られます。

精神的なストレスが寝つきを悪くするのは、ストレスを感じることでノルアドレナリンの分泌が過剰になり、セロトニンが不足してしまうことが原因のひとつです。

更年期の女性はストレスを感じることも多くなりますが、女性ホルモンのエストロゲンはセロトニンの分泌を促す役割があるので、閉経とともにエストロゲンの分泌量が減少すると、セロトニンの分泌量も低下してしまい、寝つきが悪くなってしまいます。

このセロトニン、日中に光を浴びることによって体内で生産され、これが夜になると体内でメラトニンへと変換されます。

ですから、昼間に光を浴びない生活をしている人は、セロトニンの産生が不足してしまうので、結果的にメラトニンも不足してしまい、寝つきが悪くなります。

このように、メラトニンのもととなるセロトニンが不足しないようにすることも、寝つきやすさや睡眠を改善する重要なポイントになります。

スマホのブルーライトがメラトニンの分泌を抑制してしまう

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セロトニンは、昼間に太陽の光を浴びることで増加します。そして夜になると、セロトニンを材料にしてメラトニンが作られます。

そもそも人体は、目から入ってくる光によって時間を把握しています。いわゆる体内時計(サーカディアンリズム)ってやつですね。大昔から人間の体は、体内時計によって、朝になると活動して夜に眠るようにプログラムされています。

ですから、体は「今は朝なのか、それとも夜なのか」を識別する必要があり、それを知るためのセンサーが「目から入る光」なのです。

昼間の間につくられたセロトニンは、夜になるとメラトニンへと変化して、メラトニンの働きによって眠りにおちますが、スマホなどのブルーライトは白熱灯などと比べ、太陽光線に近い波長をしているため、脳が「今は夜ではない!」と勘違いしてしまい、セロトニンからメラトニンへの変換が抑制されてしまうのです。

寝つきが悪いあなたは、メラトニンとセロトニンどちらかの分泌に問題がある

眠るために必要なホルモンがメラトニン。そして、メラトニンをつくるために必要な物質がセロトニン。

寝付きが悪くなる直接の原因は、このふたつのどちらかです。よく寝つきが悪くなる原因といわれている「ストレス」も、「スマホのブルーライト」も、「カフェイン」や「更年期障害」も、結局のところは、すべてメラトニンやセロトニンの量の問題なわけです。

メラトニンを増やすための2つのアプローチ

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睡眠に必要であり、入眠を促すために最も重要なホルモン・メラトニン。
このメラトニンを増やすためには、どうしたら良いでしょう?

メラトニンを増やすためのアプローチとして、主に以下の2つの方法があります。

  1. メラトニンの元となるセロトニンを増やす
  2. メラトニンを消耗しないようにする工夫をする

メラトニンはセロトニンを材料として作られますから、セロトニンを増やせばメラトニンも増えることはわかりますね。

そこで、まずはセロトニンを増やす方法をこの後ご紹介します。

また、後で詳しく解説しますが、メラトニンは眠りに関すること以外にも、人体の中では別の働きもしています。そして、そのためにメラトニンが「消耗」してしまい、スムーズな眠りに必要なメラトニンは不足してしまいます。

そのため、メラトニンをできるだけ消耗しないようにする方法もご紹介します。

セロトニンを増やす方法

セロトニンを増やす効果的な方法として、近年最も注目されているのがテアニンです。テアニンはお茶に含まれるうまみ成分で、これがセロトニンの体内生産を活性化すると考えられています。

テアニンについて詳しくは、こちらの記事で紹介しています。

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メラトニンの消耗を防ぐ方法

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メラトニンは、私たちを睡眠へと促すホルモンである一方で、優秀な抗酸化物質としても働いています。

抗酸化物質とは、細胞を活性酸素による酸化ストレスから守ってくれる物質のことです。
酸化ストレスが、肉体疲労や精神的なストレスをもたらします。

実はカラダの疲れもココロの疲れも、ミクロの世界では同じようなメカニズムで感じるものなのです。
カラダの疲れは、筋肉などの細胞が受けた酸化ストレス。
ココロの疲れは、脳の細胞が受けた酸化ストレス。
どちらも活性酸素による酸化ストレスが悪の元凶であるという点では共通しているのですから。

さて、抗酸化物質は、この酸化ストレスを、細胞の身代わりとなって引き受けることで、細胞を守ってくれます。このとき抗酸化物質は酸化して、別の物質へと変化してしまいます。

そのため、強力な抗酸化物質であるメラトニンが、活性酸素から細胞を守るために、いわば「消耗」されてしまう可能性があり、現在のところ、酸化ストレスによって、体内のメラトニン濃度が低下し、睡眠に悪影響を及ぼすと考えられています。

そこで、この消耗を防ぐために、メラトニンの代わりに細胞を守る抗酸化物質を摂取することをおすすめします。

睡眠対策のためのオススメ抗酸化物質は、以下の記事で紹介しています。

参考資料:生活習慣とメラトニン濃度

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