テアニンと抗酸化物質で安眠対策。寝付きが悪い人必見の2つの改善ポイントと、その効果とは

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夜なかなか寝付けない。しばらくお布団の中でモゾモゾ。気づいたらもう朝と言っていい時間に・・・。

そんな寝つきの悪さを改善すると言われている食品成分って、いくつかありますよね。
最もポピュラーなのはトリプトファンでしょう。それ以外にもGABA、グリシン、ラフマ、などなど……

いろいろありますが、結局、寝つきを良くする食品成分として最も有効なものはどれなのか?

実は、トリプトファンほど有名ではないけれど、ある程度知識がある人や、いろいろと試した人の間で注目されている成分があります。それがテアニンと、セサミンイミダゾールジペプチドなどの抗酸化物質です。

今回は、テアニンと抗酸化物質の、眠りに関連するはたらきをご紹介した上で、なぜそれらの成分が知識をもつ人たちに注目されているのか、その理由について詳しく解説します。

この記事のここがポイント

  • 寝付きを良くするための鍵になるのは、メラトニンの量
  • メラトニン生産の材料になるのがセロトニンなので、セロトニン不足を防ぐ
  • メラトニンは活性酸素によって抗酸化物質として消費されてしまうので、メラトニンを守るための活性酸素対策を行う
  • テアニンがセロトニンの産生を促す
  • テアニンはお茶に多く含まれるが、お茶にはカフェインも含まれているので注意
  • セサミンやイミダペプチドなどの抗酸化物質でメラトニンを守る
  • 抗酸化物質の中でも、セサミンは寝付き改善の研究事例がある

寝つきの悪さを改善するポイントは、セロトニンを増やして、メラトニンの減少を抑えること

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私たちがスムーズな入眠や深い眠りを得るために、最も重要な働きをしているのが、体内のホルモン・メラトニンです。これは私たちが眠るために必要なホルモンです。

また、そのメラトニンの材料となる脳内物質・セロトニンも重要です。セロトニンの分泌が不十分だと、メラトニンの産生も不足するため、寝付きが悪くなる原因となります。

メラトニンとセロトニン、眠りを改善するために、まずこの2つの物質の性質について知りましょう。

メラトニンが不足して寝つきが悪い状態に陥りがちな、2つのパターン

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うまく寝付けない原因として、根本的な原因は2つに絞ることができます。
眠りを改善するためには、眠るために必要なメラトニンを用意しなければなりませんが、その上でクリアしなければならない問題が2つあるのです。

寝つきが悪くなる2つの理由とは……

  1. セロトニンが十分に作られていない
  2. メラトニンが他のことに費やされて消耗してしまい、眠るために必要なメラトニンが残っていない

私たちの体は、日中に光を浴びることで、体内のセロトニン産生を増やし、夜になるとセロトニンをメラトニンへと変化させています。
昼間に日の光を浴びない生活をしていると寝つきが悪くなると言われているのは、セロトニン量が不足した結果、メラトニンも不足してしまうからです。

また、メラトニンは、体を眠りへと誘うホルモンであると同時に、体内では活性酸素から細胞を守るための強力な抗酸化物質でもあります。しかしメラトニンが抗酸化物質として働いてしまうと、安眠ホルモンとして働けなくなってしまいます。

まとめると、寝つきが悪くなる根本的な原因は、メラトニンの元となるセロトニン産生が不足しているか、メラトニンが抗酸化物質として消費されすぎていること。このどちらかであると考えられます。

眠り改善には、トリプトファンがポピュラーだけど・・・

ちなみに、セロトニンはトリプトファンというアミノ酸を材料にして体内生産されます。
それを理由に、インターネットメディア等では、トリプトファンの経口摂取がセロトニン産生に効果的だという説も目にします。実際、健康食品の有効成分としてよく配合されています。
トリプトファンについては、こちらの記事で詳しく書いています。

トリプトファンの摂取は無意味?「寝つきを良くする食品成分」のホントの所

テアニンのリラックス効果でセロトニン分泌を促す

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セロトニンの産生をよくするためには、昼間に日光を浴びることが重要です。ですが、仕事の時間帯や生活リズムは、人それぞれやむを得ない事情もあるもの。ほかに良い方法はないでしょうか?

セロトニン分泌増加には、材料をたくさん揃えることよりも、体がもつ「セロトニン生産力」をサポートする方が効率的です。

そして、体がセロトニンを生産しやすい状態にもっていくことができる食品成分がテアニンです。

テアニンは、うま味成分としてお茶に多く含まれています。栽培の過程で渋味成分であるカテキンへと変化してしまうので、お茶の栽培方法(お茶の種類)によって含有量に差が出てきますが、玉露抹茶などのカテキンが少なめのお茶に多く含まれます。

このテアニン、主に3つのアプローチから睡眠を促す作用があります。

テアニンの効果1:α波を出してリラックスさせて、セロトニン分泌を促し、心身ともに睡眠に適した状態にする

テアニンには強いリラックス効果があります。脳にα波を増やしてリラックス状態へ導き、セロトニンの分泌を促します。
α波が出てリラックスするということは、脳が意識の水準を下げて睡眠の準備をしはじめるということを意味します。これによりすんなり入眠しやすくなります。

テアニンの効果2:寝つきを良くする脳内物質の活発化

テアニンを摂取すると、GABAという脳内物質の量が増えます。GABAは有名なので聞いたことがある人も多いと思いますが、GABAの働きにより脳の覚醒を抑制する方向へ働かせることができます。

テアニンの効果3:寝つきを悪くする脳内物質の抑制

さらにテアニンは、脳を興奮させるニューロンを抑制するはたらきがあります。脳が興奮しにくくなるため、これは「寝つきが悪くなりにくくする」はたらきであると言えます。

注意!お茶にはテアニン以外にカフェインも含まれている

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お茶にはカフェインも同時に含まれています。
カフェインは脳を興奮状態にする作用をもつ物質であり、カフェイン自体は眠りの妨げになるもの。せっかくテアニンを摂っても、同時にカフェインを摂取していては効果は半減ですよね。

ですから、テアニンだけを摂りたい場合は、サプリメントで摂ることをおすすめします。

セサミン・イミダペプチドの抗酸化力でメラトニンを守る

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メラトニンは、抗酸化物質です。抗酸化物質は、活性酸素による細胞への攻撃(酸化ストレス)から、細胞の身代わりとなって守る働きをする物質のことです。

これは言い替えれば、活性酸素が大量に体内で発生する場合は、メラトニンが犠牲になってしまう(メラトニンが減少してしまう)ということなのです。

抗酸化作用もメラトニンの重要なお仕事のひとつではあるのですが、メラトニンには、できれば抗酸化物質としてではなく、安眠ホルモンとして働いてほしいところ。そこで、メラトニンの替わりに働いてくれる抗酸化物質を摂取して、メラトニンを安眠ホルモンとして活用しましょう。

おすすめの抗酸化物質は、以下のふたつです。

セサミンの「眠り特化型」抗酸化作用

セサミンはその名の通り、ゴマに多く含まれています。

セサミンといえば、一般的には「ゴマの健康パワーでとにかく元気になる成分」というあいまいな印象しかないかもしれませんが、実は抗酸化物質として、寝つき、眠りの深さ、寝覚めを改善することに役立つことが、研究の結果わかってきています。

抗酸化物質にはさまざまなものがありますが、セサミンのように眠り改善に関する研究がなされている抗酸化物質はそれほど多くはありません。

最強抗酸化物質・イミダゾールジペプチド

イミダゾールジペプチドはセサミンとは異なり、眠り改善についての研究事例は見当たりませんが、セサミンと同様高い抗酸化力を誇るばかりか、最強の抗酸化物質と言われているものです。本サイトでは、過去の記事でも何度が取り上げたことがあります。

このイミダゾールジペプチドはもともと、非常に高い抗疲労力を持つことで知られていますが、そもそも疲労の根本的な原因は活性酸素であり、イミダゾールジペプチドは抗酸化作用でそれを除去することで抗疲労力を実現しています。事例がないとはいえ、眠りの改善についても注目の成分であることは間違いないでしょう。

眠り改善を、あなたの出来る範囲で取り組むために

眠りの改善には、さまざまなアプローチがあります。
生活習慣を改善するとか、生活リズムを整えるとか、悩みを解消するとか、夜にスマホやパソコンを使わない・テレビを見ない……とか。

けれども、現代人にとって、必ずしもそれらがすんなり改善できるとは限りません。

仕事の関係で生活が不規則にならざるをえない人もいますし、人間関係の悩みなどはすぐに改善できるものではありません。スマホやテレビを見ないなんていうのも、無茶な話だと思う人も多いでしょう。

ですから、食品成分によって眠り改善を試みることは、たいへん有意義な方法だと思います。

睡眠は、みずみずしくパワフルで健康な体を、できるだけ長く維持するためのもの。昨日と同じ体の状態を維持し続けるためのものです。それはつまり、改善しないままでいると、しばらく先の未来で大きく後悔するかもしれない、ということを表します。

改善するといっても、無茶なことや、出来ないこともあります。あなたの出来る範囲でかまいません。後悔する前に、眠り改善へ向けての何らかの取り組みを行ってみましょう。

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