女王蜂のための特別食であり、栄養豊富なローヤルゼリー。さまざまな健康作用があることがわかっています。
これまで当サイトでは、何度かその効果効能や科学的根拠について紹介してきましたが、特に更年期の女性や免疫力強化に関心がある方にはうってつけの食品のうちのひとつです。
しかし「ローヤルゼリーを摂りたいけど、副作用が気になる…」という方もよくいらっしゃいます。
というのも、一部のインターネットメディアなどには「花粉症の人がローヤルゼリーを摂ると、アレルギー症状が起きる!」と書かれているからです。
確かに、それはその通り。花粉症の人が摂取することで、アレルギー症状が出る可能性はあります。
しかし、花粉症の人もローヤルゼリーを摂ることはできます。それどころか、ローヤルゼリーには花粉症をやわらげる効果があるとも言われています。
「ローヤルゼリーは花粉症に良い」という説と、「ローヤルゼリーが花粉症をひどくする」という説。いったいどちらが正しいのでしょうか?
今回は、花粉症の詳しいメカニズムについてご説明したうえで、ローヤルゼリーの花粉症へのはたらきや注意点についてご紹介します。
この記事のここがポイント
- 花粉症の原因は、自律神経の興奮によるもの
- ローヤルゼリーには自律神経を正常にするはたらきがある
- けれど、ローヤルゼリーには花粉が含まれている
- 花粉症は花粉を粘膜で吸収することでアレルギー症状を引き起こすもの
- 花粉症の人は、粘膜で吸収することを避ければ良い
ローヤルゼリーの花粉症に対する効果効能
ローヤルゼリーは花粉症の症状をやわらげる効果があると考えられています。
その理由は、ローヤルゼリーの免疫に対する働きによるものです。
花粉症のメカニズムとローヤルゼリーのはたらき
花粉症というものは、一種のアレルギー症状ですが、アレルギーというのは体に備わっている免疫機能の過剰な反応によって引き起こされます。
花粉症の人の場合、鼻や喉の粘膜から花粉(アレルギー物質)が取り込まれると、免疫機能がそれを異物として認識し、体外に排出しようとします。
免疫は、異物を体外に排出する手段として、自律神経である副交感神経を興奮させます。
これによって体内ではヒスタミンやロイコトリエンといった物質が生産されやすくなり、これらの物質がくしゃみや鼻水・涙を誘発します。
つまり、くしゃみや鼻水といった花粉症の症状は、副交感神経に原因があるわけですね。
そこでローヤルゼリーです。
ローヤルゼリーにはアセチルコリンという物質が含まれており、これが自律神経を整え、副交感神経を落ち着かせることにつながります。
そのため、ローヤルゼリーは花粉症の症状を抑えると言われています。
でも、ローヤルゼリーには花粉が含まれている
先述のように、ローヤルゼリーには花粉症の症状をやわらげる効果があります。
しかしその一方で、ローヤルゼリーは蜂が集めた花粉や蜜で作られるものです。そのため、花粉症の人はローヤルゼリーによってアレルギー症状が起こる可能性があるという矛盾があります。
花粉症の症状を抑えるとされる一方で、花粉症の症状の原因物質を含むローヤルゼリー。
結局、花粉症の人は、ローヤルゼリーを摂取したほうが良いのでしょうか?それとも、避けたほうが良いのでしょうか?
花粉症の人は、カプセル式のローヤルゼリーサプリを選びましょう
花粉症は、主に鼻や喉の粘膜から花粉を吸収することで、アレルギー症状を引き起こします。ですから、ローヤルゼリーをこの粘膜に触れさせないように飲めば良いのです。
たとえば、カプセルタイプのサプリメントなら、カプセルに入った状態で喉の粘膜を通過して胃に到達するため、花粉の粘膜吸収を避けることができます。
そのため、花粉症の人がローヤルゼリーを摂取するなら、カプセルタイプのサプリメントならおすすめできます。
参考資料:的確な花粉症の治療のために 第2版(厚生労働省)