まだご存知ない人もいるでしょうか?疲れの原因を根本から取り除く新成分が最新の研究により発見されました。成分名は「バレニン」。ヒト試験でも効果が確認されています。
このバレニンに最初に注目しだしたのは、アスリートの人たち。毎日のトレーニングで肉体にたまった疲れを効率的に取り除いてくれるということで話題になりました。長期疲労・短期疲労ともに抜群の抗疲労成分、それがバレニンなのです。
そして次に話題になったのは、だるい・夜眠れない、やる気が出ない、イライラするといった、いわゆる肉体+精神の疲労に悩む人たちです。なんとバレニンが取り除くのは肉体疲労だけではなかったのです。
それもそのはず、肉体疲労・精神疲労に共通する根本的な原因に働きかけるのがバレニンだからです。
肉体も精神もカバーしてしまうバレニン。出来る限りわかりやすく解説します。
この記事のここがポイント
- クジラの凄まじい持久力の正体が「バレニン」
- 疲労の根本的な原因は「活性酸素」、活性酸素に対抗する物質が「抗酸化物質」
- バレニンは最強の抗酸化物質「イミダゾールジペプチド」の一種
- 他のイミダゾールジペプチドよりもバレニンが優れている理由
- バレニンの働きは抗疲労以外にもたくさんある!
- バレニンの副作用や、摂取する上で注意すべきことは?
まず、バレニンって何?鯨のスタミナ源から抽出した、くじらパワー凝縮成分
クジラは、半年ほどの間をエサが豊富な冷たい海で生活します。その後繁殖期になると、それ以降の半年間は絶食します。エサをまったく食べない状態で数千kmを不眠不休で泳ぎ続け、暖かい海へ移動したら出産し、子育てをします。この間まったくエサを食べません。
驚きのスタミナですよね。そんなことがなぜ可能になるのでしょうか?当然、これまでに多くの生物学者が研究してきました。
バレニンの正体は、最強の抗疲労物質「イミダゾール ジペプチド」だ!
よく肉体疲労の原因は「乳酸」のせいだという説を耳にしますが、実はずいぶん前に否定されています。確かに疲労によって血中に乳酸が増えることは事実ですが、乳酸そのものは疲労物質ではありません。しかも最近では、乳酸そのものはむしろ疲労を和らげてくれるということがわかっています。
医学や栄養学は日々進歩しています。長年不明だった「疲労」のメカニズムは近年の研究により解明されました。
肉体疲労・精神疲労ともに、疲れの根本的な原因は「活性酸素」だったのです。
疲労と活性酸素のカンケイ
活性酸素とは、ストレスや過労、運動などによって体内に大量発生する、細胞を傷つける悪玉物質です。肉体的なストレスも精神的なストレスも、どちらもストレスによって体内で発生した活性酸素により細胞を傷つけられています。細胞が傷つけられたことは脳へと伝達し、それが疲労という現象になるのです。
その際、肉体疲労の場合は筋肉組織の細胞が、精神疲労の場合は脳神経細胞が傷つけられるという違いはありますが、どちらも活性酸素が原因となっているわけですね。
イミダゾールジペプチドのチカラは実証済み
ところで、数多くの抗疲労成分の中でも特に強力だとされているものに「イミダゾール ジペプチド」という抗酸化物質があります。イミダゾールジペプチドはその抗酸化作用によって活性酸素を取り除きます。
厚生労働省と文部科学省の研究班がスタートさせた「抗疲労プロジェクト」の研究の中で、抗疲労効果があると考えられていた23種類の食品成分のうち、実際に抗疲労効果が確認できる成分は6種類でした。そしてその6種類すべてが抗酸化作用をもつ、活性酸素に働きかける成分でした。
このイミダゾールジペプチドは、現在、「最強クラスの抗疲労成分6種」の中でも、最も効果があったと実証されている抗酸化成分。特に骨格筋への働きかけが強く、筋組織において強い抗酸化作用を示し、抗疲労効果が顕著に現れた成分なのです。
イミダゾールジペプチドの種類
最近の研究で最も効果があるとされている抗疲労成分・イミダゾールジペプチド。これにはおもに3つの種類があります。
ひとつは「カルノシン」。数千kmを飛び続ける渡り鳥の胸肉に豊富に含まれているため、渡り鳥が長時間羽を動かすためのスタミナの正体であるとされています。
ふたつめは「アンセリン」。マグロなどの回遊魚に多く含まれます。「マグロは泳ぐことをやめると死ぬ」って言いますよね。死ぬまで泳ぎ続けなければならないマグロのスタミナの正体が、このアンセリンであるといわれています。
そして最後に、クジラから抽出される「バレニン」。
バレニンは最も新しく研究されている、最先端のイミダゾールジペプチドです。
アンセリンやカルノシンとの比較。バレニンのすごさの秘密は?
アンセリンやカルノシンも同じくイミダゾールジペプチドですが、これらとバレニンは一体どう違うのでしょうか?
実は、機能的な違いは何もありません。成分構造が非常に似ていて、べつにバレニンじゃなくても、イミダゾールジペプチドであればいいんです。抗疲労効果は得られますから。
バレニンの発見が画期的だった点は、機能的な側面ではなく、生産コスト面です。
「なんだよ、コストなんて私たち消費者には関係ないじゃん」という声も聞こえてきそうですが、そうではありません。
イミダゾールジペプチドを健康食品という形でとりいれようと思ったとき、バレニンを主な成分にしている商品は、その製造コストの安さがそのまま販売価格に反映されている場合もありますし、同じ値段でも付加成分がたっぷり配合されている商品もあります。
つまり、イミダゾールジペプチドを摂りいれようと思うなら、アンセリンやカルノシンのものよりも、バレニンのものを選ぶほうが「お得」なんです。
バレニンのほうが”お得”な理由
さて、なぜバレニンがコスト面で優れているかというと、まずはその手に入りやすさにあります。
イミダゾールジペプチドの含有量:
マグロ100g中:カルノシン0mg アンセリン656mg バレニン0mg 合計656mg
クジラ100g中:カルノシン145mg アンセリン19mg バレニン1,261mg 合計1,425mg
※ミンククジラ赤肉の数値
クジラから抽出するバレニンは、少量の原料から大量に抽出できるイミダゾールジペプチドなので、各種イミダゾールジペプチドの中でも特に手に入りやすいのです。
しかも、鯨肉の缶詰を作る際に出る煮汁から製造できるので、他のイミダゾールジペプチドと比べて低コストで製造できます。その上、実は鯨から抽出せずとも、合成して製造することも可能なのだそうです。
また、詳しくは後ほど解説しますが、バレニンは鯨肉に含まれる成分であるため、アレルギーのリスクが鶏肉やマグロよりも低く、食品としての安全性が高い点も特長です。
バレニン(イミダゾールジペプチド)のチカラは抗疲労にとどまらない
バレニンが自律神経を調整する
自律神経系に作用して副交感神経を刺激するよう働きかけます。その結果、体と心をリラックスさせてくれるため、実際の疲労以外にも「疲労感」を軽減してくれたり、睡眠の質を向上させて疲労からの回復力を高めてくれたりします。
バレニンで持久力アップ
体脂肪を効率よくエネルギーに変換してくれます。これもバレニンがアスリートやウエイトトレーニングに励む方に注目される理由のひとつ。とりわけ減量期の食事として人気があるようです。
バレニンの認知症への働き
実際にマウスを使用した研究で、その抗酸化力が記憶機能の低下を食い止める作用があることが検証されました。認知症に対する新たな予防法として期待されています。
そして気になる、バレニンの副作用や注意点
さて、気になるのは副作用です。
先ほど、バレニンの副作用について調べていたところ、やたら危機感を煽っているデマ情報が見つかりました。デマというか「どれだけ過剰摂取したらそうなるんだよ」というような情報で、それが検索結果のけっこう上の方にあったのでビックリ。
そこに書いてあったのは
・脳の萎縮
・認知症様症状
・パーキンソン病様症状
・横紋筋融解症
・薬剤性過敏症症候群
・抗利尿ホルモン不適合分泌症候群
・高アンモニア血症
もうね、アホかと。
過剰摂取しない限り、そこまで危機意識を持つ必要は無いですよ。バレニンを含むイミダゾールジペプチドは、日ごろの食事でも肉や卵などの動物性の食品にすでに入っています。何不自由なく食事が出来る方なら、たいていの場合問題ありません。
(というか、上記のような副作用とバレニンが関連するという根拠情報がまるで見つからなかったので、純然たるデマかと思われます。これは想像ですが、動物保護団体が流しているデマではないでしょうか。クジラ由来の成分ですからね…。)
バレニンの副作用、ここに注意!
というわけで、バレニンの副作用についての”正確な情報”はこちらになります。よく読んでくださいね。
当たり前ですが、過剰摂取には注意してください。
バレニンに限ったことではなく、過剰摂取したらたとえ砂糖や塩だろうと死亡します。言語道断です。
ですが、サプリメントで摂るなら、その商品の目安量から大きく外れすぎず、常識の範囲内の量を飲んでいれば、特に問題ありません。
(それも、たとえば一度に50粒や100粒をがぶがぶ飲むとか、そういうレベルで飲みまくってはダメだよ、という意味です。そりゃそうですよ。数粒くらい多めに飲んだからといって身体がどうにかなってしまうようなものは、日本では薬局でしか販売することができませんから。が、メーカーが指定した目安粒数は一応守るようにしてください)
摂りすぎるとどうなるのかを心配するよりも、”非常識なレベルで摂り過ぎないこと”を心がけてください。
食事で摂る場合の注意
鯨肉といえばお酒のアテとして酒飲みには好まれますが、それくらいの量ならば全く問題ありません。
バレニン目的で大量の(本当に大量の)鯨肉を一気にドカ食い、なんてことはしないでくださいね。鯨肉も鶏肉もマグロ肉も、動物の肉はプリン体をけっこうな量で含んでいます。プリン体は痛風の原因となりますので、食べすぎには注意してください。
お薬との飲み合わせは?抗がん剤を飲んでいる人はやめておきましょう
イミダゾールジペプチドのような抗酸化成分は、その抗酸化作用が一部の抗がん剤のはたらきを弱めてしまうという論文があります。ふつう、健康な人にとっては抗酸化成分は体に良いものなのですが、抗がん剤を飲んでいる人だけはくれぐれもご注意を。
アレルギー面でも、とても安全
バレニンは鯨肉に多く含まれますが、この鯨肉というものは、数ある食品の中でも特にアレルギーの症例が少なく、安全性の高い食品であることが知られています。
肉も魚も卵も豆も一切食べることができないほど重度のアレルギーを持つ子どもでも、鯨肉だけは食べることができたという事例もあり、感動的な逸話がある食品です。そのため一部では食物アレルギーの食事療法として認めようという考えを持つ人々もいるほどです。
というわけで皆様、デマ情報にはくれぐれもご注意を。