頼れる便秘対策「水溶性食物繊維」食物繊維の間違った摂り方に注意

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野菜を食べて食物繊維を摂っているのに、便秘が治らない…そんなあなたは「食物繊維の種類」が間違っているのかもしれませんよ。あなたにとって本当に足りない食物繊維は、水溶性食物繊維です。

ただし、注意点もありますから、よく読んでくださいね…。

この記事のここがポイント

  • おそらく、あなたは「弛緩性便秘」です。なぜなら…
  • 野菜に含まれる食物繊維の罠!「弛緩性便秘」には逆効果!
  • 水溶性食物繊維をとろう!
  • ただし、水溶性食物繊維にも注意点が…
  • 2大水溶性食物繊維「難デキ」と「イヌリン」、どっちがいい?

あなたの便秘が解消しない原因。それは「水溶性食物繊維」の不足

さて、これをお読みのあなたは、食物繊維が便秘に良いからと野菜をたくさん食べて、「食物繊維、とってるんだけどなぁ…」と首をかしげているでしょうか?
しかしそれもそのはず。
食物繊維が便秘に有効なことはその通りなのですが、「あなたの便秘」に有効であるとは限りません。
まずは、あなたの便秘がどんな便秘なのか?という点についてお話しましょう。

便秘には種類がある!あなたはどちら?

実は、一般的な便秘の種類には2種類あります。本当はもっと種類があるのですが、症例が多いのは以下の2種類です。

1)ひとつは「直腸性便秘」
これはどんな便秘かというと、便が降りてきているのに、便意をあまり感じず排便に至らない、というものです。この場合は、腸に刺激を与えて便意を感じやすくしたいですね。

2)もうひとつは、「弛緩性便秘」です。
腸の機能低下や筋力の低下により、便を出口に運ぶ力が弱いために排便に至らないものです。特に筋力の弱い女性や高齢者に多く、腹筋が弱いことも原因のひとつになります。通常「便秘」といえば、こちらの方が多いのではないでしょうか。

食物繊維にも2種類ある!あなたに合った食物繊維をとりましょう

そして、食物繊維にも2つの種類があることをご存知でしたか?

1つは水に溶けない「不溶性食物繊維」
もう1つは水に溶ける「水溶性食物繊維」です。

野菜の多くは不溶性食物繊維が豊富です。不溶性食物繊維には、便のかさを増して腸を刺激し、便意を感じやすくする働きがあります。そのため、なかなか便意を感じにくくなっている「(1)直腸性便秘」に対しては有効に働きます。

しかし、便のかさが増すということは、便を排出する際に、より大きな筋力や腸の機能が必要になるということです。また、不溶性食物繊維は水に溶けず、便が水分を含むようになるわけではないため、摂れば摂るほど便が硬く大きくなりがちになります。つまり、排便しづらい便になってしまうわけです。

野菜をたくさん食べて、食物繊維をとっているけど、便秘が治らない…という人は、おそらく「(2)弛緩性便秘」でしょう。
弛緩性便秘の人にとっては、不溶性食物繊維をとると排便が余計に困難となり、逆効果です。弛緩性便秘の人は、便を柔らかくする水溶性食物繊維をとるべきなのです。

水溶性食物繊維はその名のとおり水に溶ける性質があるため、水分と混ざり合いドロドロと柔らかく粘りのある便にしてくれます。また、腹痛を伴わず便を排出しやすくしてくれますので、下剤成分が入った便秘茶や便秘薬などとも一線を画します。

食物繊維は、確かに、便秘の改善に欠かせないものです。しかし、あなたの症状に合った食物繊維をとらなければ、便秘を改善するどころか、悪化することもありえるのです。

まずは自分に合った食物繊維を知ることからはじめましょう。

ただし、水溶性食物繊維にも欠点があります

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水溶性食物繊維は、水に溶けやすい性質をもちます。そのため不溶性と違い、便をやわらかく排出しやすい状態にしてくれます。
しかし摂りすぎた場合、食物繊維が腸内の水分を吸ったまま保持してしまうので、腸内全体の水分は不足してしまいます。すると腸内での便の滑りが悪くなり、逆に排出しにくくなってしまうことがあります。

例えるなら、水溶性食物繊維は、スポンジや綿のようなものなのです。水分を吸って、捕まえて外に逃がさない性質を持っているので、摂りすぎると周りの水分が不足してしまうのです。

そのため、水溶性食物繊維と一緒に水分を多めに摂りましょう。
また、食物繊維に限ったことではなく何にでも言えることですが、極端に摂りすぎないようにしましょう。

最新の研究で、食物繊維が脳に直接作用して、ダイエット効果が!

マウス実験(詳細はこちら)によると、腸内で食物繊維が消化されることで、食欲をコントロールする脳の領域に直接作用して、食欲を抑えることがわかったのだそうです。
これまでも、食物繊維が食欲を抑えることは知られていました。しかしその原因は、腸内で食欲抑制ホルモンを分泌するためだろうと考えられてきました。
しかし、今回の実験結果の驚くべき点は、食物繊維を消化することで脳に直接作用するということです。

すごいですね!ダイエットの新しい方法論になりうるとして注目されています。

水溶性食物繊維の代名詞「難消化性デキストリン」

水溶性食物繊維の中でも、効果が実証されており、注目を集めているのが「難消化性デキストリン」。略して「難デキ」と呼ばれます。じゃがいもやトウモロコシが由来の素材です。

どうも化学物質のような響きの、いかつい名前ですよね。

初めて目にする人は「何なのコレ?副作用とかあるんじゃないの?」とか「難消化性って、便秘が悪化しそうな名前だな……」と警戒する人が多いんですが、実はポピュラーな水溶性食物繊維です。その有効性から、特定保健用食品(トクホ)にも指定され、青汁などの食品に活用されています。薬のような副作用はもちろんありませんし、トクホのお墨付きもあります。

難消化性というのは、消化しにくいという意味です。口から摂取した難消化性デキストリンは、水分を吸ってゲル状になりながら腸に到達しますが、消化しづらいので、一度吸収した水分を保持しつづけます。つまり便が柔らかい状態がずっと続くのです。また、摂取することで排便回数や量が増えることが実験により証明されています。
水分だけでなく、糖などの栄養素も時間をかけてゆっくり消化・吸収するようになるため「食後血糖値の上昇を抑える」として、よく糖尿病やメタボ対策商品のトクホ成分としても採用されています。

菊芋で有名な水溶性食物繊維「イヌリン」

イヌリンといえば菊芋が有名ですね。その他、ごぼうなどにも含まれます。

イヌリンも、難デキと同じ水溶性食物繊維なので、便秘に関しては難デキと同じような働きをしてくれます。基本的にはイヌリンは、分解されると難消化性のオリゴ糖のような働きをします。そのため腸内の善玉菌を元気にしてくれるほか、ゲル化したイヌリンは、消化物が小腸へ進む速度をゆっくりにしてくれるので、難デキと同じく食後の血糖値上昇を穏やかにしてくれると言われています。

水溶性食物繊維選びのポイント

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難デキとイヌリン、どちらも効果が似てますよね。細かいメカニズムに異なる点はあるものの、どちらも同じ水溶性食物繊維。便をやわらかくし、お腹を元気にしてくれますし、糖や脂の吸収を穏やかにしてくれ、基本的には似た作用を持ちます。

この2つが異なるのはズバリ、原料、価格、信用性、味です。

難消化性デキストリン
・原料はトウモロコシ、じゃがいもなど
・トクホ成分の信頼性

イヌリン
原料は菊芋、ごぼうなど
難デキより安い

難消化性デキストリンは、何と言ってもトクホ成分であることは強みです。データで証明されています。

ただ、難消化性デキストリンの研究が進んでいるのは、取り扱っている会社が多いことや、大手の会社が取り扱っていることが理由ですので、イヌリンよりも難デキのほうが優れているというわけではありません。が、市場に出回っているサプリを見ると、扱っている会社が多いぶん、難デキのほうが色々入っていて高機能な商品が多いような印象を受けますね。

でもイヌリンも、単に現時点では公式なデータの量が充分ではないというだけで、メカニズム的には似た作用は持っていますし、実際イヌリンを飲んで良くなったという人はたくさんいます。色々入っているから良いというわけでもありませんし。

なので選ぶポイントは、価格と、難デキの実績と信用をあなたがどれだけ重視するか、ですね。

優劣というよりは、アレルギー等をお持ちでないならば、
「価格にはこだわらず、信用性やデータを重視するなら難消化性デキストリン」
「なるべく安く抑えることを重視するならイヌリン」

という選び方が良いでしょう。

腸の状態は、心身に大きく影響を与えます。さあ、水溶性食物繊維をとりましょう!

肌荒れや免疫力低下による吹き出物や乾燥肌。便秘って、肌のクオリティにけっこうダイレクトに影響しますよね。お腹が張って重くなる不快感とともに、さまざまな体調不良を引き起こすやっかいなこの症状に、多くの女性が悩んでいます。さらに腸閉塞や大腸がんといった、大きな病気の原因にもなってしまいます。

さらに、腸は「第二の脳」ともいわれています。なぜなら、腸では脳内で必要な神経伝達物質も作られているからです。わたしたちが充実した人生を送るために必要な「やる気」や「幸せ」といった気分は、その神経伝達物質が左右しています。腸内環境が悪いと、それらの物質が減ってしまい、わたしたちの心は充実しなくなってしまうのです。

だから、腸内環境を悪化させる便秘は、便秘による苦しさや、肌や身体の調子だけでなく、ココロにとっても病気のもととなってしまうのです。

いかがでしょうか?便秘って、思った以上に恐ろしい病気だと思いませんか?

まずは対策に取り組んでみましょう。水溶性食物繊維は、あくまで自然由来の素材なので、病院でもらう薬のような副作用の心配もないし、摂りやすいサプリメントなどもお手頃な価格で出ているので、気軽に試せるのが良いですね。

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