ルテインはゼアキサンチンと一緒にとらなければ意味が無い。その理由は?

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最近は、携帯電話が完全に普及してますね。お年を召したおじいちゃんおばあちゃんもスマートフォンを持っていたりします。
でもね、スマートフォンってすっごく眼に悪いんですよ!

眼の悩みに良いということで、最近よく耳にするのが「ルテイン」。ほんと流行っています。眼に良いらしいって。
けれど、「一体どう良いのか」はわからないという人が多いのでは?
それから、「ゼアキサンチン」という成分もあります。これ、ご存知ですか?

ルテインとゼアキサンチン、どちらも目を守ってくれる物質です。どちらか片方が欠けてもダメ。でも、世間ではルテインばかりが取りざたされていますよね。今日は「ルテインばかりをとっていて、ゼアキサンチンを補えていないと意味がない場合もあるので、注意しましょうね」っていうお話です。

この記事のここがポイント

  • 眼は常に危険に晒されている臓器(最近は特に…)
  • ルテインとゼアキサンチンが眼を守っている
  • でも、加齢とともに不足しがち。なぜなら…
  • ルテインとゼアキサンチンを補う方法
  • ルテインとゼアキサンチンは両方を補ってナンボ

ルテインとゼアキサンチンは、眼の中でどんな役割を果たしてる?

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眼の水晶体や黄斑部に存在し、わたしたちの眼を守ってくれている体内物質が、「ルテイン」と「ゼアキサンチン」。
眼にとって、このルテインとゼアキサンチンは、めちゃくちゃ重要なんです。

眼に有害な光線としてよく知られている紫外線。他にも有害な光線としてはテレビ、スマートフォンやパソコン、ゲームなどから発される「青い光」が挙げられますが、実は紫外線や「青い光」は、光の波長が短くて非常に強い力を持ちます。光線の中でも最も大きなエネルギーを持つ危険な光なんです。

眼の細胞は、こういった光を受けることで酸化ダメージを受けてしまい、さまざまな病気に繋がります。
つまり、

  • よく外出する人
  • テレビをよく見る人
  • スマートフォンやパソコン、ゲームの画面をよく見る人

もし、あなたがこのどれかに当てはまるなら、あなたの眼は非常に危険な環境にあるわけです。

ルテインとゼアキサンチンが光から守る

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しかし、ルテインとゼアキサンチンは紫外線や青い光を吸収する効果があり、さらに抗酸化作用によって、吸収できなかった光から受けるダメージをも防いでくれます。つまり、二重に守ってくれるわけですね。

眼というものは常に体の外からの刺激を受け続ける、非常に無防備な臓器ですが、現代を生きる私たちは、近年の気候変動による強い紫外線や「青い光」に生活の中でさらされ続けています。

眼の病気に悩む人が年々増加している背景には、現代の環境に人間の眼が耐えられなくなってきていることがあるようですね。
さあ、携帯電話をやめますか?それともテレビをやめますか?

ルテイン・ゼアキサンチンは加齢とともに不足しがち

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しかもこのルテインやゼアキサンチン、年齢とともに減少していきます。

体内に存在するルテインやゼアキサンチンは日常生活の中で徐々に失われます。きちんと補充ができていないなら、年齢を重ねるほど目の老化も進行していくことになります。ルテインやゼアキサンチンは体内で合成することができない物質ですから、失われたルテイン・ゼアキサンチンを補充するためには、食品などから摂取するしかありません。

しかし、内臓機能は20代をピークに齢をとるほど衰えていくもの。食事の量も若い頃と比べると減ってしまいますし、消化吸収の力も年齢により衰えます。ですから、ルテイン・ゼアキサンチンが加齢とともに不足するのは自然なことと言えます。だから白内障・緑内障や加齢黄斑変性といった疾病にも高齢になるほど罹患しやすくなるわけです。

あなたが目の衰えを食い止めたいと考えるなら、食品によって必要な栄養をカバーしなければなりません。

ルテインとゼアキサンチンを食事で補うなら、何を食べたらいい?

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特に野菜・果物をたくさん食べるよう心掛けることが大切です。ですが、食事だけで補うのは現実的とは言えません。

まず、ルテインとゼアキサンチンの一日の必要量を調べてみましょう。

ルテインの一日の必要量:10mg~20mg

必要な摂取量は6mg~10mgぐらいなのだそう。でも、ルテインは体内吸収率があまり良くないそうで、吸収率を計算に入れると、通常は10mg~20mgを摂取したほうが良いようです。若者よりも吸収率が悪いお年寄りなら、多めに摂取したほうが良さそうですね。

ゼアキサンチンの一日の必要量:6mg

過去の実験などの実績で、現在のところこれくらいが適量かなあ?とされているのが、この量であるようです。単にこの量で試験した実績があるというだけの話なのですが、目安にはなりますね。

次に、ルテインとゼアキサンチンが多く含まれる食品や食材を見てみましょう。

ルテインが多く含まれる食品

代表的なのはホウレンソウです。ホウレンソウ100g中に10mg含まれています。

対してルテインの必要量は10mg~20mg。注目すべきなのは、これが一日の必要摂取量だという点です。
ホウレンソウ100gは、朝昼晩と少しずつ食べればなんとか一日で食べきる量ですが、それだけ食べてようやく10mg。すでに眼を患っている人やお年を召した方なら15mg~20mgは欲しいところですから、ホウレンソウ100gでは足りません。食べるのが大変そうですね。

ゼアキサンチンが多く含まれる食品

そして問題なのがゼアキサンチンです。ゼアキサンチンは、ホウレンソウ100gに対して0.02mgしか含まれていません。
なにより衝撃的な事実として、実はホウレンソウは、ゼアキサンチンを多く含む食品のうちのひとつなのです!それがたったの0.02mg。

とはいえ、それよりも多く含む食べ物はあります。パプリカです。
ゼアキサンチンを含む食べ物としては100g中12mg含まれています。現実的ですね。

摂取の難易度的に、ゼアキサンチンがネックになる

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でも、パプリカ以外の食品でゼアキサンチンが多く含まれているのは、先ほど挙げたホウレンソウ以外では鶏卵やトウモロコシなどなんですが、どれもホウレンソウと似たりよったりの含有量しかありません。パプリカだけがダントツの含有量なんです。

ゼアキサンチンを唯一まともに補える食べ物が、パプリカ。だから、毎日パプリカを食べ続ければ補えます。
毎日パプリカを食べ続けることが出来るならば、ですが。

要するに、ルテインよりもゼアキサンチンのほうが、日常的に摂取するのが難しいんですね……
明らかに健康食品などで補うほうが現実的だと言えます。

ルテインとゼアキサンチンは両方同時にとりましょう

さて、読者の方の中にも、健康食品でルテインやゼアキサンチンを補おうとお考えの方もいらっしゃると思いますが、ちょっと待ってください。

「ルテイン」という名前は聞いたことがあっても、「ゼアキサンチン」は聞いたことがある人は少ないんではないでしょうか?

それって、なぜだと思います?

ルテインは、流行ってますよね。今非常にホットで話題になっている健康食品の素材のひとつです。機能性表示食品も出回り始めました。でも、話題になっているからといって、それさえ摂っていれば万事OK!というわけではありません。なぜ話題になっているのかを考えてみましょう。

大抵の場合、ある商品が話題になっているとき、それを話題にしているのは、実は私たち消費者(お客さん)ではありません。その商品を売る人たち(販売者)、商品を広告している人たち(広告代理店)、商品の材料を作っている人たち(原料屋)などによって、話題が作られているのです。

ルテインばかりが話題になっていて、ゼアキサンチンがあまり話題になっていませんが、これはあまり良いことではありません。
なぜなら、ルテイン・ゼアキサンチンは両方大切で、両方同時にとるべきだからです。それなのに、ルテインが入っていることをウリにしている商品の中にゼアキサンチンが入っていなかったりします。パッケージや広告に「ルテイン配合」と書いてあれば、それだけで「売れる」からです。

だから、ルテインだけしか入っていない健康食品には十分注意してください。

ルテインとゼアキサンチン、不足しているのはどっち?

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眼の調子が悪い人。たとえば、目がやけに乾いたり、光をいつもよりもまぶしく感じたり……。
あるいは、テレビやスマートフォン、パソコンの画面をよく見る人……。
はたしてあなたの体に不足しているのは、ルテインでしょうか?それともゼアキサンチンでしょうか?

詳しく検査をしてみないとわかりませんよね。だから、どちらが不足しているのかハッキリするまでは、両方とりましょう。

トクホの健康食品だ!機能性表示食品だ!満足度90%以上だ!
…なんていっても、これをお読みのあなたの体に合っているとは限りません。実はあなたは、ルテインは十分あるがゼアキサンチンが不足しているのかもしれません。それなら、ルテインをいくらとっても意味がないんです。

嘘の情報に注意!ルテインやアントシアニンはゼアキサンチンの替わりはできない!

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ルテインやゼアキサンチンまわりの情報を調べていると、一体なにを根拠に言っているのかわからないようなデタラメ情報をよく目にします。

ルテインはゼアキサンチンの替わりにはならない

「ルテインをとればゼアキサンチンの替わりになるから、ルテインだけとっていればいい」

という説を時々耳にします。確かにゼアキサンチンとルテインは似たような構造をもつ物質なので、その働きは似たようなものと考えられます。ですから、以前はルテインさえとっていれば良いと考えられていたようです。しかし最近では、ルテインとゼアキサンチンは存在している場所が異なっていることがわかっています。

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つまり、ルテインとゼアキサンチンは、眼の中のそれぞれ別の場所で活用されていると考えられており、ルテインはゼアキサンチンの替わりを務めることはできません。
だから、どちらか片方でも不足しないように、両方補わなければならないのです。
また、この図にあるように、ゼアキサンチンは黄斑部の中心に近い位置を守り、ルテインは周辺部を守っていますので、どちらかというとゼアキサンチンのほうが重要であると言えます。

ゼアキサンチンにアントシアニンは含まれていない

「ゼアキサンチンにアントシアニンが含まれており、そのアントシアニンが目を守る」

インターネットでたまに見かける表現です。(学術論文などでは無く、インターネットでしか見かけません。不思議ですね~笑)
眼の健康に良いと言われており、人気のアントシアニン。これが入っているサプリはたくさんありますが、アントシアニンとゼアキサンチンは全く別物なので、ゼアキサンチンの替わりもできません。

ルテインとゼアキサンチンは「カロテノイド」の一種。アントシアニンは「フラボノイド」の一種です。アントシアニンは目がしょぼしょぼしたり、視界がぼんやりすることを防ぐ働きがあると言われますが、ルテインやゼアキサンチンと同じ働きをしているわけではありません。

ゼアキサンチンが入っているかどうかが選ぶポイント

ルテインもアントシアニンも目にいいことで有名ですが、一方であまり知られていないゼアキサンチン。
どの健康食品会社も、商品を売りたいがために、こぞってルテインやアントシアニンを配合したサプリメントを発売していますが、このゼアキサンチンが入っているかどうかをしっかり確認しましょう。

流行にまどわされず、あなたの体に本当に必要なものを補うように心がけてくださいね。

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