更年期の物忘れ、改善するには?更年期に記憶力が低下する原因と、ボケ予防の方法

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物忘れ・記憶力の低下は、更年期障害の代表的な症状のひとつです。
仕事でいままで出来ていたことが出来なかった、買い物に行ったのに何を買おうと思っていたか忘れた……といったことが急に増えると、自信がなくなったり、不安になっちゃいますよね。

もしかして、”ボケ”が始まってる!?なんて思う人も多いと思います。
でも、いわゆるボケ(認知症)と更年期の物忘れは、まったく別物といっていいですし、根本原因を改善すれば、ある程度おさまるはずです。

というわけで今回は、更年期にもの忘れが多くなる原因と、その対策方法についてお伝えします。

この記事のここがポイント

  • 更年期の物忘れと認知症は、ぜんぜん違うもの
  • 女性ホルモンは、記憶力にとっても重要なホルモン
  • 更年期は女性ホルモンの分泌量が低下するので、物忘れが多くなる
  • ホルモン補充療法(HRT)は、副作用があるので注意
  • DHA・EPAが、更年期にはいろいろな方面で役立つ
  • 物忘れと認知症は違うものだけど、物忘れを放置すると認知症に……

更年期の物忘れと「認知症」の違いと、見分け方

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更年期の物忘れについて知ろうとする前に、まずチェックしておきたいのは、その物忘れが更年期障害によるものなのか、それとも認知症の初期症状なのか、という点です。

どちらも記憶に違和感を覚えるという点で、似たようなものだと思っている人も多いんですが、実はこのふたつは全く異なるもの。でも、認知症の初期症状が現れはじめる年代と、更年期障害に悩まされる年代は重なりがちなので、とてもまぎらわしいのです。

まずは、あなたに現れ始めた症状が、更年期障害か認知症のどちらなのかを見分けることが重要です。
物忘れと認知症……このふたつは似ているようで、実は根本的に異なります。また、見分け方も簡単です。

物忘れの場合は、人から指摘されたり、何かきっかけがあれば思い出すことができます。
認知症の場合は、忘れていること自体を自覚できません。

ですから、人から忘れていることを指摘されたときに「あっ、そうだった!」と思い出せるなら、物忘れ。
「えっ、何の話?」「そうなの?」となったら、認知症の初期症状である可能性が高いでしょう。

ここまで読んで、もしもあなたが「物忘れではなく認知症かも……」と思ったら、こちらの記事を参考にしてください。

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なぜ更年期になるともの忘れが多くなるの?

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年齢を重ねると記憶力が低下してくることは、自然なこと。でも、更年期には記憶力の低下が激しさを増してきます。

その原因は、女性ホルモン・エストロゲンの分泌量の急激な低下です。記憶力の低下だけでなく、更年期障害全般に言えることですね。

女性ホルモン・エストロゲンは、体内では、月経のコントロールや女性らしい体づくりに役立っていることがよく知られていますが、自律神経を多方面に調整したり、ほかにもいろんなことに役立っています。
そして記憶に関しても、エストロゲンが重要な働きをしています。たとえば、エストロゲンは脳内の神経細胞や神経伝達物質を活性化させます。

脳には、記憶を司る海馬と呼ばれる機関があります。人が何かを記憶するというのは、この海馬で行われています。

海馬には、「今からこれを記憶しますよ~」という合図になる物質があり、その物質が、何かを記憶するキッカケをつくる働きをしています。それがアセチルコリンという神経伝達物質です。
女性ホルモン・エストロゲンは、このアセチルコリンの分泌を促すと考えられています。エストロゲンが減少することで記憶力が低下してしまうのは、このためです。
なおアセチルコリンは、血管を拡張させるはたらきもあるため、記憶力の低下と手足の冷えは併発するケースが多く見られます。

物忘れ対策1:エストロゲン減少を食い止める・エストロゲンをサポートする

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更年期のもの忘れの場合、原因はエストロゲンの急激な減少にあるのですから、減少したエストロゲンを補うなり、分泌力を高めるなりすることが対策になります。具体的には、以下のようなことが挙げられます。

  1. エストロゲンをサポートする食品成分を摂る
  2. ホルモン補充療法(HRT)を行う(エストロゲン錠剤を飲む)

エストロゲンをサポートする食品成分については、詳しくはこちらの記事にまとめていますので、参考にしてください。

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ホルモン補充療法(HRT)は副作用が怖い

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女性ホルモンを補う最も直接的な手段として、ホルモン補充療法(HRT)があります。ようは、病院でエストロゲンの錠剤を処方してもらって飲む、という方法です。

ただし、ホルモン補充療法には、食欲不振、頭痛や吐き気、乳房が張ったり、おりものが増加するなどの軽い副作用から、乳がんの発症リスクを高めるなどの重い副作用も報告されています。

万一カラダに合わなかった場合の副作用が重いとはいえ、ホルモン補充療法自体は便利で強力なもの。でも、カラダにとっては不自然な行為です。個人的にはあまりおすすめはしません。
そもそも、更年期障害の困った症状を解決するためのホルモン補充なのですから、「更年期障害はおさまったけど副作用に悩まされてる」という結果になっては本末転倒。意味がありません。

はじめは、なるべく副作用の心配がない自然食品などで補い、ホルモン補充療法は最終手段として検討するのが良いでしょう。また、その際はしっかりと医師に相談してください。

対策2:DHA・EPAで脳機能を高める。更年期には特におすすめ!

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有名なので多くの方がご存知とは思いますが、DHA・EPA脳の記憶能力を高めてくれる成分です。

これまで説明してきたように、更年期の物忘れの根本的な原因は、女性ホルモン・エストロゲン。でも、あなたが実際に困っているのは「物忘れ」という”症状”なのですから、根本原因だけではなく、症状への直接的な対策を行うことも大切なことです。物忘れそのものへの対策として、DHA+EPAは有効です。

DHA・EPAが更年期におすすめできる理由は、もうひとつあります。
DHA・EPAは、記憶力を高めるだけではありません。ある程度の期間を継続摂取することで、自律神経系の乱れを整えてくれることがわかっています。更年期障害にありがちな、のぼせ・ホットフラッシュ大量の汗をかく精神状態の不安定といった、更年期の諸症状に対しても広く役立つのです。

更年期障害の物忘れを放置すると、認知症になりやすい

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先述したように、更年期障害と認知症は、根本的に異なるメカニズムで発症するものです。しかし、更年期障害による物忘れと認知症は、まったく無関係というわけではありません。

というのも、高齢者で認知症の人の多くは、更年期でのエストロゲン不足の度合いが大きいというデータがあるのです。
エストロゲンには、認知症の原因である「ベータセクレターゼ」の活動を抑制する働きがあります。そのためエストロゲンが不足してしまうと、認知症になりやすくなりますし、その期間が長ければ長いほど、認知症リスクが高まります。

認知症は、今のうちから女性ホルモンをサポートすることで、発症を防止したり、遅らせたりすることができます。
更年期障害の物忘れ対策は、認知症予防にもなるということです。
絶対に認知症にはなりたくない!と思うなら、今のうちに対策をしておきましょう。

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