女性の骨粗しょう症にカルシウムは無意味?閉経後の骨粗しょう症を予防するために知っておきたいこと

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骨が弱くなり、骨折しやすくなってしまう骨粗しょう症。とりわけ更年期から閉経後の女性に多い病気です。

更年期障害のように、目に見えて体調が悪くなるわけでもなく、命の危険が差し迫るわけでもない病気ですので、どうしても放置しがち。気付いたら骨が細く弱くなって、骨折を機に足腰を弱くしてしまい、老年期に入ってすぐに寝たきりになってしまう、というパターンをよく耳にします。

確かに目に見える症状や命の危険はありませんが、結果として待っているのは「寝たきり生活」。差し迫っているわけではないとはいえ、十分に致命的なほどに人生の質を低下させてしまうのが、骨粗しょう症です。

さて、骨といえばカルシウム。骨に問題があるということで、「牛乳をたくさん飲んでいる」とか「カルシウムのサプリを飲んでる」という人もいるでしょう。

何らかの予防をしよう、対策をしようという姿勢は大切ですが……
こと閉経後の女性の骨粗しょう症対策としては、正しい方法とはいえません

今回は、更年期から閉経後の女性の方が知っておくべき、正しい骨粗しょう症の予防方法についてご紹介します。

この記事のここがポイント

  • 骨は、古い骨を捨て、新しい骨に入れ替える「骨代謝」を行っている
  • 古い骨を捨てることを「骨吸収」新しい骨をつくることを「骨形成」という
  • 骨粗しょう症は、骨代謝のバランスがくずれ、骨吸収 > 骨形成となった状態
  • 骨粗しょう症の原因は更年期障害と同じ。女性ホルモンの分泌量減少が原因
  • 女性ホルモンは骨吸収を抑制するはたらきを担っていた
  • だから、骨吸収を抑える必要がある
  • カルシウムは骨形成をサポートするが、骨吸収を抑えることはできない
  • 女性ホルモン様作用がある食品がおすすめ。特にマカが良い

骨粗しょう症の原因は?

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そもそも骨粗しょう症は、なぜ起こるのでしょうか?

私たちの体は、古いものを廃棄して新しいものを作って入れ替える、いわゆる新陳代謝という活動を行っています。

たとえば肌。古い肌は体の外へと排出して、新しい肌に絶えず入れ替えています。そうすることで、いつも新しい肌を保つことができるわけです。

これは、実は骨も同じ。骨も代謝しているのです。

骨粗しょう症とは、骨代謝のバランスが崩れた状態のこと

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古い骨は溶かして排出し、新しい骨へと入れ替えています。これを骨代謝と言います。

古い骨が溶けることを骨吸収と言い、新しい骨を作ることを骨形成と言うのですが、健康な状態では、この骨吸収と骨形成の速度が、1:1でバランスがとられています。

骨吸収 = 骨形成 

これが健康な骨代謝のバランスです。
つまり、溶かして排出したぶんを、ちゃんと新しい骨へ入れ替えることができている状態です。

しかし、何らかの理由により、骨吸収の速度が骨形成を上回り、新しい骨をつくることが追いつかなくなったとき、骨の強度が時間とともにどんどん弱くなってしまいます。

骨吸収 > 骨形成

この、骨吸収と骨形成のバランスが崩れた状態のことを、骨粗しょう症と言います。

そして女性の場合、そのバランスを崩してしまう「何らかの理由」の代表格が、女性ホルモン・エストロゲンの不足です。

骨粗しょう症になる原因は、骨吸収を抑えてくれていたエストロゲンが分泌されなくなるから

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女性ホルモン・エストロゲンは、女性の体を健康に保つさまざまな働きをしていますが、骨の健康をも左右しています。

エストロゲンには、骨吸収を抑制する働きがあります。骨吸収と骨形成のバランスにおいては、骨形成を優位にして、新しい骨を作りやすくしてくれるわけです。エストロゲンが十分に分泌されている若いうちは、そういうふうにして骨代謝のバランスを保っていたんですね。

しかし、女性の体内では、閉経前後からエストロゲンの分泌量が急激に減少します。
その影響を受けて、骨形成よりも骨吸収が優位になってしまい、骨形成が追いつかなくなってしまいます。
そして、時間が立つほどに骨が溶け出し、細く弱くなってしまうのです。

ところで、エストロゲンの分泌不足によって悩まされる症状といえば、更年期障害がありますね。骨粗しょう症も同じくエストロゲンの不足に原因があるため、更年期障害の一種と言えます。
(ですので、骨粗しょう症で通院する場合は、整形外科や内科のほか、婦人科を受診する人も多いようです。基本的にはどの科でも良いのですが、痛みがある場合は整形外科が良いようです)

ただし、更年期障害の症状の多くが老年期に入ると落ち着いてくるのに対して、骨粗しょう症は骨の健康に関わるため、一生涯向き合わなければならない問題になります。

なぜ女性だけが骨粗しょう症になりやすい?

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男性はどうかというと、男性も骨粗しょう症にはなりえます。
しかし男性は、男性ホルモンであるテストステロンをエストロゲンに変換して用いることができます。テストステロンも加齢によって分泌量が減少しますが、女性のエストロゲンほど急激な変化ではありません。

そもそも、女性のエストロゲン分泌量が閉経を境に減少するのは、卵巣の機能が低下するため。
卵巣を持たない男性は、安定したエストロゲン供給とテストステロンがあります。

そのため、男性は骨粗しょう症になりにくく、女性はなりやすいのです。
骨粗しょう症は、最も男女差が大きい病気とされています。50歳以上だと、女性は男性の5倍近く骨粗しょう症になりやすいと言われているほどです。

骨粗しょう症対策には、カルシウム摂取ではなく、エストロゲンを補給しましょう

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さて、ここまでで骨粗しょう症の原因について書きました。
骨粗しょう症は女性が圧倒的になりやすく、その原因は女性ホルモン・エストロゲンが不足するためでしたね。

しかし、ちまたでは骨粗しょう症対策としてカルシウムの摂取が推奨されていますね。
はたしてカルシウムは、骨粗しょう症の対策として効果があるのでしょうか?

骨粗しょう症の対策として、「カルシウムの摂取」は間違い?

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ほとんどの人がご存知と思いますが、骨の材料となるのはカルシウム。骨の大部分はカルシウムによって形づくられています。

骨を丈夫にするためにカルシウムを摂取すること自体は、間違いではありません。成長期の子どもには良いと思います。

しかし、「骨粗しょう症対策として」という意味なら、話は別。
先述したように、骨粗しょう症の原因は、女性ホルモン・エストロゲンの分泌量が不足していることにあります。もっと言えば、骨吸収の異常事態なわけです。

エストロゲンの分泌量が減ることにより、骨吸収が増えてしまったことに問題があります。ここで注意したいのは、骨形成が減ったわけではないという点です。

それに対して、カルシウムを摂取することは、問題となっている骨吸収のほうではなく、骨形成を助ける効果があるわけです。

もちろん、体が不自由することなく骨形成するために、骨の材料であるカルシウムは必要です。また、日本人の食生活ではカルシウムが不足しがちなので、カルシウムを多めに摂ることは良いことです。

しかし、骨粗しょう症は、骨吸収が増えたことが原因。それなのに、骨形成の材料であるカルシウムを摂取するというのは、原因と対策がちぐはぐです。

「最も有効な骨粗しょう症対策」というのは、とどのつまり、骨吸収力を高めることです。
つまり、エストロゲン不足への対策です。

とはいえ、カルシウムをおろそかにしてはダメ

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エストロゲン不足への対策をすることは、骨粗しょう症対策の重要なポイントです。
その観点から、インターネットメディアなどでは、カルシウムは全くの役立たずだという主張も見かけます。しかし、それは極端すぎる意見でしょう。

カルシウムを摂取することは、骨粗しょう症に対して、本当に全く役に立たないのかというと、そうではありません。
なぜならカルシウムは、日本人にとって不足しがちな栄養素であることに加え、わずかではありますがエストロゲンの働きを強める方向にコントロールする作用があるからです。

エストロゲンをサポートすることが重要であることは間違いありませんが、充分なカルシウムを摂取することもまた大切なこと。たくさん摂るに越したことはありません。

ホルモン補充療法は副作用が怖い

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骨粗しょう症は、病院でホルモン補充療法をすすめられる場合があります。エストロゲンを経口摂取する治療法です。

骨粗しょう症は、予防したり進行を食い止めたりすることはできますが、基本的に完治はできません。
ホルモン分泌能力を元に戻すことはほぼ不可能ですし、それが元に戻らない限り、骨代謝のバランスも元に戻りません。そのため、骨の健康を保つ努力は、長年継続していくことになります。

しかし、ホルモン補充療法は、長い期間続けることで、乳がん子宮がんといった重大な副作用のリスクがあります。

非常にひどい状態の骨粗しょう症であれば、こうした治療法もやむなしですが、最終手段にしたいものです。

「女性ホルモン様作用」がある食品成分が有効

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そこで、エストロゲンそのものではないけれども、エストロゲンのような作用(女性ホルモン様作用)がある成分が含まれている食品が、いくつかあります。

エストロゲンそのものを摂取するホルモン補充療法は、副作用が怖いですが、ホルモンそのものではないこれらの食品であれば、副作用を心配する必要はありません。

  • 大豆イソフラボン
  • マカ
  • 高麗人蔘
  • 田七人参
  • ローヤルゼリー

この中でも、骨粗しょう症に関しては、特にマカがおすすめです。

骨粗しょう症にマカがおすすめな理由

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マカがおすすめな理由はふたつあります。

  1. 優れたエストロゲン様作用をもつ成分が含まれている
  2. カルシウムも含んでいるので一石二鳥

マカは、男性の精力剤などに入っているものとして耳にしますが、実はエストロゲン様作用がある成分が含まれていて、しかも、かなり強力な部類です。

その有効成分はベンジルグルコシノレートアルギニン。どちらもエストロゲン様作用がありますが、とりわけベンジルグルコシノレートは優れた効果効能を持ちます。
研究実績もあり、マカを摂取することによって骨粗しょう症の予防が期待できることは実験によりわかっています。(※1)

しかも、マカにはたくさんのカルシウムが含まれています。
先述したように、カルシウムは骨粗しょう症の根本的な対策ではありませんが、カルシウムは日本人の食生活で最も不足している栄養素ですし、エストロゲンの作用を高める効果もあります。摂取すること自体は骨に対して有益です。

この2点を同時に満たす食品成分であるという点が、マカが骨粗しょう症に一番おすすめできる理由です。

骨粗しょう症の予防へ取り組むことが、あなたの賢さを表しています

冒頭でお話したように、骨粗しょう症は、目に見えるような症状もなく、生命に危機がおよぶわけでもありません。それゆえに、「無関心なまま、放置してしまう人」と「予防・対策する人」が極端に分かれます。

これはつまり、あなたの賢さと自己管理力が試されていると言っても良いでしょう。
あなたは「無関心で放置してしまうタイプ」ですか?
それとも、将来の健康に思いをはせて、充実した人生を送りますか?

※1:マカの更年期障害・骨粗しょう症予防効果についての研究論文
Effect of ethanol extract of Lepidium meyenii Walp. on osteoporosis in ovariectomized rat.(PubMed)

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